株の窓口THE相場勘 米・イラン核合意離脱決定

昨晩、トランプ大統領がイラン核合意からの離脱を発表しました。以前から合意を離脱される可能性については言われていましたし、選挙期間中からの公約であったこともあり、マーケットはサプライズとしては捉えなかったようです。

米国が核合意を離脱することになれば、イランに対する制裁が再開されることになるので、イランの原油生産が大きく落ち込むのではないかと(制裁していた頃の原油生産量は現在の約半分)いう懸念からWTIが70ドルまで上昇した背景にありますが、これについてはマーケットは織り込み済みの可能性があると思います。

では、核合意離脱はどのように影響が出てくるのかと言うと、米国が核合意を離脱するのであれば、イランは『核開発を再開する』と言っています。そうなるとイスラエル等がイランに対する警戒感を強めてくる可能性があります。サウジは米・大統領の決断に対し『支持を表明』しており、イランとサウジの関係悪化、中東情勢の緊迫について注意が必要になりそうです。

金利上昇について、JPモルガン・チェースのCEOが『米国の10年債は4%まで上昇するので備えが必要』とも発言しています。WTI価格が今の水準であることや、減税により米国の財政支出も拡大していることを考えれば金利は上昇するでしょうし、FRBが利上げペースを早める可能性もあると思います。

原油に関しては、OPECの減産により在庫が過去5年平均まで下がってきていることが重要で、産油国の供給不安に反応しやすくなっているということは頭においておいたほうが良さそうです。