株の窓口THE相場勘 ~トランプ大統領とシリコンバレー~

昨晩は米国で発表された中古住宅販売件数は予想を上回ったにも関わらず、NYダウは20000ドルをきってきました。トランプ大統領が27日に署名した「イスラム圏7カ国からの入国を禁止する」大統領令に対し、リスクオフの動きが強まったのが理由とのことですが・・・

本日は米国でこの「入国禁止」についてどのような動きが出ているかを書こうと思います。

トランプ大統領は昨年12月半ば、シリコンバレーのTOP等と非公式会談を行いました。(詳細はこちら:トランプ氏の非公式会談)非公式となっていましたが、会合では移民問題や中国問題、サイバーセキュリティや税制について話し合われたと言われており、選挙期間中の反トランプ派だったシリコンバレーのTOP等とは和解され、今後は米国躍進の為に協力関係にあると見られていたようです。

ですが、今回の入国禁止について、グーグル、フェイスブック、セールスフォース、マイクロソフトなどのテクノロジー企業から一斉に講義の声が上がっているとそうです。彼らの言い分は「米国の理念に反すると共にイノベーションのエンジンを止めるものだ」と言うこと。

トランプ大統領は入国禁止だけでなく、テクノロジー企業が活用している就労ビザを見直す大統領令を起草したことが、今回の反発につながっているようです。大統領令草案は
・米国の移民政策は何よりもまず、米国の国益に策定され実践されなければならない
・外国人の就労ビザプログラムは米国民および現時点で合法的な居住者の人権を保護し、政府に忘れられていた米国の労働者とその職を守ることを優先する必要がある
と言うもの。トランプ大統領の一貫して提案している「米国第一主義」「米国の雇用を増やす」政策の通りの内容なのですが、就労ビザ改革が実施されればマイクロソフトやアマゾン、アップルなどの企業は、米国民の採用を優先しなければならず、外国人を雇用する場合は報酬の高い候補者に優先権を与えなければならなくなるとしています。

企業側から考えると、同じ能力であれば、安い賃金で雇える人材が欲しいのは当然であると言えますし、大統領側から考えると雇用を増やす為には米国民を雇って欲しい、かつ、何よりも国民を守る為のテロ対策として、危険の可能性を排除する為に米国に入国させないというのは最も効果的な方法にも見えるのですが。

企業の利益を第一に考える企業TOPと国民の安全と国民の生活を第一に考える大統領。どちらも自分の城を守りたいと言う気持ちですが、安全あっての企業、安全あっての利益ですし、シリコンバレーのTOPも米国民。大統領の気持ちを理解し和解に至るまで、日は要さないと思うのは私だけでしょうか。