株の窓口THE相場勘 ~トランプ政権円安?円高?~

昨晩の米国市場は2万ドルまで後わずかというところまでは行きましたが、伸び悩んだ形で終えました。値幅が大きく膨らむことなく高値水準を維持しているので、弱気筋が積極的に売り向かうパターンでは無いとは思いますが、クリスマス前で、市場参加者が少ない為、勢いが足りないというのが現状でしょうか・・・

日経平均も出来高の減少や3連休前の利益確定売りもあり、軟調に推移しました。

残るところ今年も後5営業日で終了。そろそろ来年を見据えた動きが必要になってくる頃ではないでしょうか。

トランプ氏が時期大統領に決定して以来、米国の長期金利が上昇し続け、ドル高・円安の流れが続いています。ドル円の動きは、海外進出している日本の企業業績にも関係していますので、FXをされている以外の投資家の方も注視されていると思います。

昨晩の米国でトランプ氏は、ホワイトハウス内に「国家通商会議(National Trade Council)を新設し、そのトップにエコノミストのピーター・ナヴァロ氏を指名した」ことが発表されています。
ナヴァロ氏は、中国に批判的な本などを出していることで知られており、自身が書いた記事内で、『アメリカは中国との通商交渉でタフな(強硬な)姿勢を貫け。中国国内での知的財産権の侵害は厳しく取り締まれ。中国からの輸入品には高い関税を課せ。中国の重商主義に真っ向から立ち向かえ。アメリカに職を取り返せ。そして・・・「偉大なアメリカ」を取り戻せ』と言っています。

ナヴァロ氏だけではなく、国務大臣も含め、対中強硬派が就任しているだけに米国と中国の貿易摩擦が起こる可能性は念頭に置いておく必要がありそうです。

米国では、貿易に対しては大統領権限が強く、議会もあまり反発を見せない傾向にあります。その為、貿易に関する内容は、どんどん進む可能性がありますし、新政権が意思を持ってドル安政策を進めれば、FRBも同方向に動く可能性もあります。
米国内の『製造業を守る・回復を図る』目的がある以上、中長期的に見るとトランプ政権はドル安政策を採る可能性は否めません。

しかしながら、トランプ氏の提唱する金融政策のインパクトが強く、未だ米国の長期金利は上昇していますので、簡単にはドル安には進まないでしょうが、現在は新政権が始まっておらず、誰も何も手を打てない状況下で期待が先行している状態ですので、どちらの方向に進むのか、トランプ政権の動きから目が離せません。