株の窓口THE相場勘 ~ドル不足?!~

トランプ氏の会見から円高ドル安の動きが続いており、昨日は引け後に113.73円まで下落。ここから暫くは調整が続くのかと見られていましたが、本日、再びドル高円安の動きになりました。

一気に115円を割った反動との意見もありますが、気になるニュースがもう一つ・・・
それが「ドル不足」です。
これまでも英国のEU離脱問題の際や、リーマンショックの際に、「ドル不足」について言われたことがあります。簡単に言うと、国際金融市場でアメリカドルの需要が高すぎて、供給が追いつかなくなることです。

日本では現在、マイナス金利政策の影響で、銀行などは積極的に外貨建て資産への投資を増やしていると言われています。為替変動リスクを避けられるということから、「ベーシススワップ」(円とドルを一定期間交換する手法)を利用している日本の大手銀行や生命保険会社、機関投資家らが、今回のドル不足を懸念してドル資金の調達に動いた可能性があるそうです。これによりドル高円安の動きに再び変わったとの声もあります。

ドル不足が起こると、需要が多いドルを調達する為に、金利が上がり、調達する側は上乗せ金利を求められることになります。その為、しわ寄せは銀行を利用する企業や家計の金利や手数料の負担にも及びかねません。

今現在はまだ、さほど深刻な状況ではないかもしれませんが、ドル不足・銀行間金利の上昇には注意が必要かもしれません。