株の窓口THE相場勘 ~ヘルスケア法案、一時保留を受けて~

明日が配当権利落ち日であるにも関わらず、全体の軟調な地合に押されて本日を終えました。

週末の米国では、トランプ大統領がオバマケア撤廃を一時中断し、減税を先に行うと言ったことから、大きく下げることなく、為替も111円台で終えていましたが、共和党内でも法案を可決することが出来なかったことに関して懸念は残る展開だったと思います。

本日の日本マーケットの場中では、NYダウ先物は大きく下げており、原油、ドル円も軟調なことを踏まえると、今晩も米国は軟調に推移する可能性が高いと見ています。

確かに米国企業にとって、減税政策は大きな要だとは思いますが、

■法人・個人の減税政策 → 効果が出るのは年末もしくは来年以降。
■レパトリ減税 → 賛否両論であるし、実施前には円高が予想されます。
■国境税 → 反対が多く難航が予想されます。
減税案については、議会承認は得られると見ていますが、トランプ大統領が選挙期間中に言及していたパーセンテージが、そのまま通るのは難しいのではないかと、個人的には思っていますし、財源を考えるとスムーズには進まない可能性があると思います。

週末にムニューシン米財務長官も、「ホワイトハウスは法人・個人の減税を含む税制見直し
にコミットしている」と述べた上で、「8月までに完了するのは困難かもしれない」と認めています。

あいまいな状態が長く続けば続くほど、今のマーケット状態では、今回のオバマケア撤廃の失敗から、懸念が増徴する可能性もありますので、米国がどの時点で下げ止まるか見極めなくてはいけませんね。

インフラ投資に関しても、財源を考えると難航が予想されるのではないでしょうか。

長期でみれば、もともと、そんなに簡単に法案が可決されるわけではないのは分かってはいたことだとも思いますし、大統領が就任して、4年かけて実行していくものと思っていますが、思ったことを直ぐに口にする大統領の行動から、期待感が大きくなりすぎているのは否めないのではないでしょうか。

日本自身でも、為替の問題以外でも、連日報道されている森友学園問題が終結しない限り、楽観視しづらいとも思います。

このまま為替が110円を切ることがあれば、想定為替レートを110円にし、上方修正してきた多くの日本株に関してはリスクオフの動きが出てくることも考えられるので身動きが取りづらいですよね。

それでも、先週、当社がプレミアム・ゴールドクラスの会員様に推奨しました銘柄は連日上昇を見せており、今までの流れを見ても、まだまだ上が目指せると見ています。

軟調な週明けとはなりましたが、皆様、今週も頑張りましょう。