株の窓口THE相場勘 ~メキシコでの自動車生産~

本日の日経平均は久しぶりにボラの高い一日でしたが、個人投資家の皆様は振らされなかったでしょうか・・・

相変わらず、為替にらみの展開が続いておりますが、昨晩は為替の動きを大きく左右すると言っても良い発言がありました。
まず最初に出てきたのは、トランプ次期米政権顧問・スカラムッチ氏がドル高進行のリスクについて警告し、トランプ次期大統領の公約の実現が、通貨の上昇により困難になることを指摘。
その後、米国経済紙のインタビューでトランプ氏が「ドルが高すぎて米企業が競争できない」とドル高に警告。保護主義傾向が強いトランプ氏が、ドル安政策をとるのではないか、ドル高について言及するのではないかとの観測は11日の会見前から市場で不安視する声が出ていましたが、ついに出てしまった・・・と言うことでしょうか。

トランプ氏の政策だけを見ると、『米金利上昇→ドル高円安』のシナリオがなりたちますが、今までドル高に対し何も言及はしてきませんでしたが、何か対応策を打ち出してくると、シナリオが崩れていく可能性も出てきたのかもしれません。

また昨日のTwitterでも
「With all of the jobs I am bringing back into the U.S. (even before taking office), with all of the new auto plants coming back into our…」
(就任前であるにも関わらず、新しい自動車工場など、米国に仕事を戻している)とのツィートしています。

本日は自動車メーカーのメキシコ生産について調べて見ました。

■日産:2015年のメキシコ生産82万2948台で、約半数を米国に輸出。
■GM:69万0446台。
■フィアット・クライスラー:2015年のメキシコ生産50万3589台。米工場に10億ドルを投資し、2000人の雇用創出計画あり
■VW:2015年のメキシコ生産8万7000台。昨年、傘下のアウディがメキシコに工場開設
■フォード:2015年のメキシコ生産43万3752台。メキシコでの新工場建設計画を撤回しミシガン州に工場新設を発表
■ホンダ:2015年のメキシコ生産20万3657台。メキシコ製造車の米国での販売は10%以下
■マツダ:2015年のメキシコ生産18万2357台。メキシコ製造車の米国での販売は約30%
■トヨタ:2015年のメキシコ生産10万4810台。18年までに約16万台に生産を引き上げ、19年操業開始のグアナファト州では年間生産能力20万台を計画中。

高い関税をかけると発言していることや、昨日の為替についての言及を見ても自動車メーカーにとってはトランプ氏の就任後、臨機応変な対応が求められそうですね。