株の窓口THE相場勘 ~予算教書の概要~

昨晩の米国市場は予算教書を前に利益確定の売りが先行した形になりました。FOMCの金利も勿論皆様気にしていたとは思いますが、週末には、米独首脳会談やG20財務相・中央銀行総裁会議があります。

トランプ大統領が就任してからと言うもの、個人的に週末にチェックする内容が多く、寝不足が続いておりますが・・・事前に伝えられているものと、本人の口から発せられるニュアンスをチェックしたいと言う気持ちからなのですが。

本日は予算教書の概要をまとめてみました。

■国防費
2018年度は10%増額。エネルギー省や国務省など他の政府機関の国防関連予算は20億ドル。(2017年度は約5220億ドルでした)
増額幅については、一部の共和党議員の要求額を下回ります。増額ですので、国防総省が反発する可能性は低いものと見られます。

■国土安全保障費
不法移民の取り締まりや強制送還に要する人員追加費用を計上すると見られます。
予算としては6.8%増額。
メキシコの壁建設費用として17年度に15億ドル。18年度に26億ドルを計上。

■対外援助
国連への拠出金削減や、気候変動プログラム、文化交流プログラムへの資金削減を含み、予算は28%減額。
ただし、「大統領AIDS救済緊急計画」に対する予算は維持するものと見られます。

■環境保護費
地球温暖化対策プログラムの廃止、大気・水質保全プログラムの縮小を打ち出し、予算は31%削減。環境保護局の職員は全体の19%(約3200人)削減すると見らており、オバマ前大統領が推進していた「クリーン・パワー・プラン」(二酸化炭素削減を目指していたもの)への資金をストップし、打ち切り。

■ヘルスケア
医薬品や医療機器などの承認審査料を2017年に比べ2倍以上に増額。FDA(米食品医薬品局)が徴収する費用は2017年の2倍を見込み、20億ドルを超えると見られています。

■交通
運輸省の裁量経費は13%削減。
航空管制機能を連邦政府から民間へ移管すると言われていますが、これは米国航空会社等からの反対もあります。NASAの予算は191億ドル。(0.8%減)

■エネルギー
法的な障害や地元の反発などを受けて暗礁に乗り上げていた、ユッカマウンテン(ネバダ州)・放射性廃棄物処理場建設計画の再開に向けてエネルギー省の予算に1億2000万ドル計上すると見られています。

■農業
2017年度の予算21%減の179億ドル。

今晩もトランプ大統領の演説が予定されていますが、何が飛び出すのか・・・。来週の相場に向けて、今晩も見逃せないですね。それでは皆様、今週もお疲れ様でした。良い週末をお過ごし下さい。