株の窓口THE相場勘 ~今週の相場の注目内容~

週末の米雇用統計の結果を受けてのスタートとなった本日の日経平均は、堅調ではありましたが、引き続き上値の重い展開となりました。
米・雇用統計の結果はと言うと、非農業部門雇用者数はコンセンサス予想を大きく上回りましたが、失業率は4.4%と低い水準は維持しつつも、前月からは若干上昇。また、賃金も伸び悩みが見られました。

日本独自の材料では、朝方発表のあった5月・機械受注統計。
設備投資(先行指標)である民需の受注額は2ヶ月連続の減少となり、前月比3.6%減。非製造業の減少が続き、4-6月期は2四半期連続での前期比減少となる可能性が大きくなりました。設備投資が日銀短観にあるように堅調な展開となるかについて懸念が出てきています。

日本個別材料は軟調を示しつつも、やはり日本の相場はドル円・米国の動きに連動性が高く、本日はプラス圏で推移しましたが、今週末から一足早く、米国が決算発表シーズンになりますので、今週は、その結果を睨んだ展開となるのではないでしょうか。

14日に発表があるのは、JPモルガン、シティグループといった大手金融株。
本日は、週末に行われた日銀によるオペを受けて、日本の金利維持を懸念した金融銘柄が売られていましたが、この結果によっては、米国とつながりの強い三菱東京UFJ銀行や三井住友銀行などが見直される可能性もあるかもしれません。
ですが、ストレステストの結果等は既に米国金融銘柄の上昇はある程度、織り込み済みであることから、上昇したとしても上値は限定的になるかもしれません。

今週注目すべきことと言えば、
12日 米・ベージュブック、イエレンFRB議長証言
13日 イエレンFRB議長証言、米・生産者物価指数
14日 米・消費者物価指数、小売売上高、鉱工業生産
の発表があります。

ベージュブックやイエレンFRB議長証言を受けて、利上げ観測が高まれば、円安への支援材料になる可能性もあるでしょう。
6月米雇用統計は概ね、予想を上回る内容でしたが、これまで発表のあった経済指標には予想を下回るものもあり、FRBの利上げ継続方針には懐疑的な見方が残されていますので、イエレンFRB議長の発言内容には注意が必要でしょう。

また、14日に発表される米・消費者物価指数によるインフレ率にも要注意。インフレ率が予想を下回ることがあれば、利上げ期待が低下し、米長期金利上昇に歯止めがかかる可能性があります。その場合、ドル売りが強まり、円高方向に動く可能性が出てくるでしょう。