株の窓口THE相場勘 ~外国人投資家と日経平均株価~

昨晩のECB資産購入縮小の発表を受け、本日も日経平均株価は大きく上昇。メジャーSQ値算出日でしたが、SQ値を大きく上抜けて終えました。

本日の発表で気になったのは、「11月第5週の投資部門別売買動向」についてです。
『外国人投資家 4週連続で大きく買い越し/ 個人は4週連続の売り越し/ 信託銀行(公的年金の動きを示すとされています)は6週連続の売り越し』
という結果でした。

この結果のみを見ても、先月からの日経平均の大幅な上昇を決定付けているのは外国人投資家が買っているからだと認識せざるを得ません。

ここで注目しなければならないのが為替の動きです。
外国人投資家は、日本株を買う際には、ドルを円に換金してから買うことになります。同様に日本株を売る際には、売却代金をドルに換金しなくてはなりません。つまりは、例え株価が停滞していたとしても、外国人投資家にとっては、為替の動きによって株価が上下してしまいます。日本株を買ってから円安が進むと、為替差損が出てしまうことになります。

当社が毎朝配信している重要指標に『日経平均CMEドル建て』を組み込んでいるのもその為です。米国大統領選以降、円安が進んでいる現在、外国人投資家の目線でドル建ての日経平均株価を見てみると、決して上昇しているとは言えないのです。

日経平均と日経平均ドル建ての下記チャートをご覧下さい。

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日経平均が大幅上昇しているのに対して、ドル建てで見ると下げてきています。外国人投資家にとって日本株は「世界景気敏感株」とも言われており、上方向と見ている外国人投資家が多いのに対し、思うように上昇していない為、まだまだ上昇余地のある買いやすい値段の株だと認識されている可能性があるのではないでしょうか。一方、更に円安が進むと、日経平均が上昇しても外国人投資家にとっては為替差損の関係から、ウマミが無いと捉えられてしまう可能性もあるかも知れません。

方向感を見極める為にも外国人投資家の動向には目を光らせておく必要があるのではないでしょうか。

年末にかけて、外国人投資家が来年に向けてポートフォリオの組替えを行ってくる可能性もあるのではないかと考えています。現在の外国人投資家の日本株・保有比率は16%程度。
過去のデータでは、日経平均上昇時で22%前後と言われています。来年にかけて保有比率が上がるのであれば外国人投資家が狙うのは・・・