株の窓口THE相場勘 ~懸念は全て払拭されたのか?~

NYダウは2日間で200ドルを越える上昇を見せました。21日(月)に下げ止まった感が出たところで、買い戻しが入りやすかったところに、ホワイトハウスと共和党の幹部が、『大型減税などの経済政策のいくつかの点で意見の一致が見られた』との報道を受け、米経済政策が進むのではとの期待が高まり、昨晩は寄付きから買い一色の展開となりました。
この動きからすると、白人至上主義に関する問題については一旦は消化したと思います。

ホワイトハウスと共和党幹部との意見の一致に関しては、大統領側と議会幹部の合意があったとしても、法案が成立するわけではありません。
今回のトランプ政権に関しては、最終的に共和党幹部が党内をまとめきれず、法案が成立しなかったパターンは、オバマケア代替案の審議で何度も見てきているので、今の段階で経済政策が順調に進むと見るのは楽観視しすぎのようにも思えます。

特に、大統領に対して距離を置こうという議員が増えてきているのは確かなので、以前にも増して党内をまとめるのが難しい状況であることに変わりありません。

現在、経済面に関して材料が乏しいと言われながらも、今週末にはジャクソンホール会合が予定されています。現時点ではマーケットは様子見ムードが高い中、注目点は足元のインフレ低迷。雇用が回復しているにも関わらず、それに伴って上昇するはずの物価が低迷したままであることに関して、イエレンFRB議長がどのような見解を持っているのか、今のインフレ低迷状態が、今後の金融政策にどのように影響するのかに注目が集まっているのではないでしょうか。

インフレが低迷した状況下では、これまでのように積極的に金融引き締めが行えないのではないかとの見方が優勢になっていることから、ドル安の流れが払拭出来ないのでは
ないでしょうか。

原油に関しては、足元では在庫の減少が続いていることが大きな下支えになっているのでしょうが、6月7月とOPECの生産量が大幅に増えたことが中長期的には大きな重石になっており、強弱材料が入り混じり膠着状態が続いています。中長期的に鍵を握っているのが、やはりサウジの動向で、サウジがどれだけ減産に取組んでいくのかが、年末にかけての注目ポイントになっていると思います。