株の窓口THE相場勘 ~方向感を見極める転換期~

シリア・北朝鮮問題があり、米国も身動きが取れないのに加えて、今週末はイースター休暇で3連休になることもあり、取引が薄くなっているところに、地政学リスクの高まりがあり、米国も出来高が少ない日が続いています。

トランプ大統領は、習近平国家主席と直接会談を行った後、昨日にも電話会談を行い、「中国を為替操作国としない」という発言をしたと伝えられています。
これは、いかに中国を北朝鮮問題に取り込もうという動きのようにも見えます。
米国では来週、為替操作国の認定発表を行う予定で、トランプ大統領は、対中国の貿易赤字を重視していたことや、米国の貿易赤字の45~46%を中国が締めていることから、
マーケット関係者の間では『中国を為替操作国に認定するだろう』との見方が多かったのですが、こういった状況下では、どうなるのか分からないところでもあります。

これまでの米国大統領も、就任後、貿易問題に一番初めに手をつけてきたことを見ると、いずれは中国との貿易問題に着手するとは思いますが、地政学リスクを優先しているということでしょう。

また昨日、トランプ大統領が、「低金利が好ましい」「ドルが強すぎる」と発言したことで、10年債利回りは2.3%の節目を割ってきました。これにより、米国マーケットでは銀行株が売られましたが、明日から銀行の決算が始まること、『ドット・フランク法」に関しても緩和方向への発言も出ていることから、徐々に金融株が見直される形になると思っています。

米国では予想を下回る決算というのは見たことがないので今回の決算も予想を上回る形になると思います。
イースター休暇の直前である今週は調整基調が続くと見ていますが、来週は確定申告が終わる週であり、需給の改善が見込める時期に入ります。4月に入ってからは、売り圧力が強い形が続いているので、需給の改善がされれば、方向転換もありうるのではないでしょうか。
米国では毎年4月・10月が年間でパフォーマンスの高い時期でもあります。月初が売りから入っていることも考慮すると、そろそろ反転しても良さそうな気もしています。

ただし反転後、4月・5月と上昇することがあれば、トランプ大統領に対する期待相場がそこで終わってしまう可能性もあるかと見ており、もし地政学リスクにより調整期間が長引くようであれば、トランプ政権に対する期待相場が年間を通して再度見直され、長く強い相場が続くと見ています。

今後を占う意味で、ここ数週間が方向感を見極める大切な時期になると言えそうです。