株の窓口THE相場勘 ~日経平均の上値が重い理由~

米国は3指数そろって5日続けての高値更新。対する日本のマーケットは本日、激しい値動きを見せました。個人投資家の方達は大丈夫でしたでしょうか・・・

先週末に当社が推奨した銘柄は、米国の利上げを好感できる業種の銘柄であり、出遅れ感があるように見える銘柄であり、おまけもついている銘柄ですので、本日の先物や為替の動きにも大きく振らされること無く堅調に推移していたと思います。

決算が出揃い材料が少ない今、日本のマーケットは今までよりも為替に降らされることが多くなりそうですし、米国の上昇についていけなくとも下げには反応してしまいそうな懸念もありますので銘柄をしっかりと吟味しなくてはいけませんね。

では何故、米国の上昇を日本のマーケットが素直に好感できなくなっているのか・・・
今の米国の上昇は、トランプ大統領の「驚異的な減税」・「米国の経済指標」・「利上げの可能性」に反応して上昇しています。以前にもこちらに書きましたが、「驚異的な減税」の内容がまだ不明な今が一番上昇しやすい状態にあると思います。
上昇の理由を考えると、「減税」は米国にとってはプラス要因ではありますが、日本で減税が行われるわけではないので、日本個別銘柄には直接的な好感要因にはなりえないでしょう。
「利上げ」に関しては、YCC(イールドカーブコントロール)を行いつつ、ゼロ金利政策をとっている日本では、今回の決算を見ていた方は分かると思いますが、保険や銀行などの金融業種にとって業績を上げるのが厳しい面があります。逆に利上げを行うことで金融業種にとってはプラス要因になりえるのでしょう。
「経済指標」に関しては言われるまでもありませんね。日本経済が良好なのではなく米経済が良好である証明をされているということでしょう。

ここで注目したいのが、アップルが株式分割後の上場来高値更新、ゴールドマンサックスが上場来高値更新と、米マーケットの2台巨頭とも言えるバリュー株が上昇してきていることです。これまでの米国マーケットはFaceBookのような成長株が支えてきました。
ですが、このような状態はマーケットのみを考えると強いとは言えない状態です。
日本のジャスダックやマザーズ銘柄のみが上昇しているような状態と言えば分かりやすいでしょうか。
アップルや金融株のようなバリュー株が上昇するには、しっかりと大きな資金が入ってこないと上昇しません。今の米国はバリュー株が上昇するほど資金が入ってきており、本当に強いマーケットと見て良いのだと思います。
また、これは、単に株式の中でお金が動いているのではなく、債券市場などから資金が株式にシフトされてきている『グレート・ローテーション』が始まっている可能性が高いのではないでしょうか。

アップルのPERを見ると20を超えてきていることや、当社が独自に付けているNYダウ騰落レシオを見ると128.354と警戒域を超えてきています。テクニカル面から見ると、米国は一押ししても良い水準と見ることもできますが業績、財政、政策、資金の流れなどを見ると、今後も期待出来ると思います。