株の窓口THE相場勘 ~日銀・金融政策決定会合~

本日の日経平均は、先週末の海外指標結果を受けマイナス・スタートではありましたが、引き続き底堅い動きでした。

今週末より外国人投資家がクリスマス休暇に入ることから、今週は、徐々に出来高が減少する可能性が高く、国内の動きに注目が集まるのではないかと思います。

本日、明日は日銀金融政策決定会合が開催されます。

トランプ氏の大統領選勝利を受けて、米国を中心に世界的に金利が上昇しています。日本の長期金利にも上昇傾向にありますが、日銀では、「日本の経済・物価が改善されているわけではなく、米金利に連動した動き」との認識があるようです。依然として、日銀の「2%の物価安定目標」達成が不透明な状況であり、今回の日銀金融政策決定会合後の政策金利発表では、短期金利マイナス0.1%、長期金利ゼロ%程度を維持する見通しとなっています。

また、日本の金利に関しては、YCC(イールドカーブ・コントロール)(※)政策の効果もあり、低水準に抑えられていることで、外貨買い、円売りの材料にもなっています。
円安による物価上昇ペースの拡大等により、前回の景気判断「新興国経済の減速の影響などから輸出・生産面に鈍さがみられるものの、基調としては緩やかな回復を続けている」からの『景気判断の引き上げ』が期待されているようです。

景気・基調判断の引き上げは円買いの材料となりやすいこともありますが、引き続きYCC政策を継続、長期金利上昇を抑制することで金融緩和効果を強めることを優先するとみられることから、今回の日銀金融政策決定会合による相場への影響は限定的なものになるとの見方が多いようです。

現在のところ、米長期金利が上昇しており、日本はYCC政策によりゼロ金利政策をとっている為、米ドルが買われ、円が売られる円安が続いていますし、日銀も緩和的な金融環境を実体経済に波及させることを重要視しているので円安傾向は維持されるのではないかと思います。トランプ氏の掲げている政策でもインフレ率・物価を上げる政策が多いので基調はドル高だと思います。
米国景気が良く、ドル高が維持されるのであれば、為替の動きに関して放置される可能性もあるとは思いますが、米国景気が悪くなる、もしくは行き過ぎたドル高により米国・大型株に大きく影響を及ぼすことがあれば、「ドル高政策を変更してくる可能性」もあります。(トランプ氏の政策がレーガノミクスと呼ばれる所以です。)

米国・日本の金利・政策については直接、株価や為替に大きく関わりがありますので、日銀金融政策決定会合後の発表内容は前回との変化も踏まえて把握しておく必要があるのではないでしょうか。

 
(※)YCC(イールドカーブ・コントロール);日銀が2016年9月21日の日銀金融政策決定会合で導入を決めた金融政策。金融市場を調節することで、長期金利と短期金利の操作を行うこと。