株の窓口THE相場勘 ~米・保護主義政策強まるか?~

昨晩のNYダウは続落。発端は、トランプ大統領がブロードコムによるクアルコムの買収を阻止したことで、トランプ政権は保護主義的な方向に舵を切ったのが嫌気された展開になったのだと思います。朝方発表された消費者物価指数は、予想を若干下回った程度だったことで、FRBが利上げペースを早めるという懸念は後退したことで、強気に作用することもありましたが、その後ティラーソン氏の解任による政権に対する先行き不透明感から売りの展開となりました。

直近のところでは、ナスダックが最高値を更新するなど、ハイテク株は上昇基調にありました。ハイテク株にとっては金利動向の影響を受けやすく、米国は長期金利の上昇が一服し、FRBの利上げペースを早めることはしないとの見方が強まってきていますので、この状況はハイテク企業にとってはプラスと捉えて良いのではないでしょうか。

ただし、ブロードコムによるクアルコムの買収阻止については、政治的リスクがハイテク株にも影響があると言うことを知らしめたという点については無視出来ないことかもしれません。

米国金利上昇による株価へのプレッシャーについては、コーンNEC委員長が辞任したことにより、トランプ政権が保護主義を強めるのではないかとの見方が広がったことで、景気の回復ペースも弱まってしまうということから、金利上昇ペースを弱めた形になっているようですので、金利上昇ペースについては少し懸念が遠のいたと言えるのかもしれません。