株の窓口THE相場勘 ~米国を踏まえた年内の方向性~

昨晩の米国は若干のプラス。
週末の政府機関の閉鎖を回避するため、5月5日までの政府資金を手当てしたという事で、予算協議の期限を先延ばし、一時的に政府機関閉鎖を逃れた形となり、安心感も高まったと言えるでしょう。

日本では、ゴールデンウィークに入ることから、薄商いになり、需給は良い状態とは言えなくなりますが、米国では確定申告も終わり、4月末から5月中旬にかけて需給が良い状態になります。
日本のマーケットは5月1日、2日は営業日となりますが、大型連休をとられる方も多いので、毎年のことながら薄商いの中、一方通行に動きやすい傾向もあります。

連休明けに決算発表を行う企業も多いので、5月の半ばまでは業績発表によって明暗がハッキリした形となるとは思いますが、Sell in Mayという格言もあるように、半ば以降は調整局面に入る可能性も高いのではないかと思います。

米国の影響を受けやすい日本のマーケット。年初から、トランプ政権の動きに為替も株も激しく変動してきましたが、ハネムーン期間も終わってしまうことから、米国の政策や状況を
見極める形になるでしょう。

これまで大統領令や、新しい法案などトランプ政権は色々と発言してきましたが、最終的には法案可決には議会の承認が必要であり、トランプ大統領の率いる共和党は上下院で過半数は占めてはいますが、上院で3/5の承認を得て、可決に持ち込むには、野党である民主党の譲歩が不可欠です。

先日発表のあった『減税措置』については、8月休会前には通したいとトランプ政権は言ってはいますが、現在、「実質的には難しい」のと見方もあり、本命の時期は「感謝祭・クリスマス休暇前」が一番可能性が高いとの声もありますが、この時期が厳しいとなると米国は一時的なショックが起きることは避けられないでしょう。

その前に大きな流れと言えば、6月のFOMCで今年2度目の利上げが行われるか否か。FOMCの前後では動きが激しくなる可能性もありそうです。

日本の企業はもちろん、こういった流れを把握した上で想定為替レートを決定しているはずです。企業の想定為替レートは、今回の決算を見る限り、マチマチ・・・

昨日の決算発表で伝えられているドル円の想定為替レートは、主だったところですと、ファナック100円、任天堂・コマツ105円とのことでした。
トランプ政権に対する不透明感から保守的に動いたという見方が台頭しており、本日、任天堂は商いを伴って大幅高しておりましたが、私個人的には、昨日『株の窓口THE相場勘』でご紹介したレパトリ減税の可能性と言うのも要因の一つと見ています。

いずれにせよ、法案を可決しなくてはならないことを考えると時間はかかるのですが、可決してから開始の時期までのブッシュ政権下での円高の動きを考えると、日本企業が今よりも、ずっと円高で想定していると言うのもうなずけます。

GW中にも海外のマーケットは動いており、流れを見る為に、私たちのような投資顧問は、ゆっくり休んでもいられませんが、皆様は、楽しい週末、楽しい連休をお過ごし下さい。