株の窓口THE相場勘 ~米国マーケットの方向感~

NYダウは3日続落。先週行われたトランプ大統領の演説で急上昇した後、1週間かけて帳消しにする形になりました。「驚異的な税制改革」の詳細が出てこないと、高いところは買っていけない表れなのでしょう。
見方を変えれば、驚異的な税制改革の詳細が出るまで、マーケットが高いところでもみ合っているよりは、今のうちに調整していた方が、詳細が出てきてから大きな調整に入るよりは、マーケットは健全だと言えるかもしれません。

昨晩のADP雇用統計は予想を大きく上回り、雇用がかなり強いことが示されました。
米国大統領選中、先の見えない不安定な状態から脱出したこと、トランプ大統領が打ち出してくる政策に対しての期待が寄与しているのだと思います。
これにより利上げの確率が90%を超えてきているようなので3月の利上げは、ほぼ間違いないと見てよいのではないでしょうか。
期待インフレ率も2%を超えてきているので、ここで利上げしないとなると、期待インフレ率が更に上昇しまうことを考えると、これを抑える為にも利上げはしておかないといけないかもしれません。

トランプ大統領政策の一つである『社会インフラ投資の本命』と言われているキャタピラーが下げ続けています。不正会計問題がその要因の一つであると思われます。
ただ、今のところ、マーケット関係者の間では、この不正会計による下落は一時的なものとの見方が強いようです。昔あったワールドコムのような不正会計は、現在では制度的に出来ない状況であることが理由と言うことなので、相場がくれたチャンスと見て良いのかもしれません。

今は年間で一番材料が少ない時期。米国でも、昨晩は去年の年末以来の少ない商いでした。トランプ大統領への期待で現在、保っている米国マーケットですので、政策を打ち出す、進めるスピード感が遅くなれば、失速要因になりうるかもしれません。

10年債利回りがジリジリ上昇し、2.56%近くまできましたが、マーケットが見ている3%と言うのはいつになるのか。
これまでデフレの可能性が債券投資家の間にはあって、そのリスク込みで取引をしていたが、それが無くなる過程への正常化の段階に入ったとと見ていますが、トレーダーが債券のショートを早めに行っていました。その為ポジションが積みあがっている可能性があり、3%までは時間がかかる可能性がありますが、債券から株式へとのテーマは間違いなく、3%の方向であるのは間違いないのではないでしょうか。