株の窓口THE相場勘 ~米国・レパトリ減税について~

ようやく大型減税について米国で発表がありましたが、米国は3指数は揃って下落。
昨晩の発表と言うのは、これまでトランプ政権が言っていたことと同じ内容であり、これから議会を通さないといけない状況ということに変わりはなく、追加の好材料と見るのは、違うということかもしれません。

マーケット関係者の中では、レパトリ減税についての言及がされるとの見方が多かったのですが、昨晩は一切の言及がありませんでした。
ですが記者会見でムニューシン氏は『行う』と言っているので、方向性は決まっているのでしょうが、マーケットを考えると分からない不安定な状態が続くのではなく、詳細が知りたいと言うのが本心ではないでしょうか。

今現在のレパトリ減税の税率は10%程度と見られています。2005年のブッシュ政権下で行われた際は5.25%と、とても低い税率で行われていたこと比較すると、コンセンサス予想通り税率10%程度であったとすると、高いとの声もあります。

そこで本日はレパトリ減税についてです。
レパトリ減税が決まったら、『ドル高・円安』と言うマーケット関係者は少なくありませんが、実際のところはと言うと・・・
ブッシュ政権下で行われた際は
①「レパトリ減税発表~実施される前日まで」→『ドル安・円高』
②「レパトリ減税実施日以降」→『ドル高・円安』
の動きでした。
しかも、①の時点では10円も円高が進み、②に入ってから一気に20円も、円安に進んだという経緯があります。

これには米国が経常収支の赤字国であることが起因しています。
レパトリ減税実施日が決まれば、米国の企業が、新しい優遇税率に合わせて米国にお金を集めるのは当然の流れですから、それまでは米国への送金が手控えられてしまいます。
その為、一時的にはドル安圧力が強まってしまうということです。

大きな方向感で見ると、確かに『ドル高・円安』ではあるのですが、米国企業の予想される動きと、内容が頭に入っていれば、いつが仕込み時か、売り時かというのが予想しやすいと思います。

ドル円の動きに左右されるのは日本のマーケットの常であるので、レパトリ減税についての米国の動きはチェックしておきたいですね。