株の窓口THE相場勘 ~米国・政府機関閉鎖について~

これまで北朝鮮が核実験を行ってきた時間帯が
2006年 1回目 午前10時35分
2009年 2回目 午前9時54分
2013年 3回目 午前11時57分
2016年 4回目 午前10時
2016年 5回目 午前9時30分
といずれも午前中であったことからか、一旦は地政学リスクが遠のいたとの見方からでしょうか、前場終わりにかけて上昇を続ける形になりました。

依然として北朝鮮サイドからの威嚇も見られているだけに、長らく空売り比率が40を超えている日が続いていたことも考えると、本日の上昇には空売りの買い戻しの動きが入ったのかもしれません。

明日は米国が減税政策をようやく発表することもあり、期待感も出ているのだと思います。
昨晩発表のあった内容では、『トランプ氏、法人税率15%に引下げへ、赤字抑制より減税
を優先する』と伝えられています。

ここから月末にかけては、先に書きました減税の詳細の発表、暫定予算の期限が4月28日、翌日の4月29日はトランプ大統領就任100日目を迎えるなど、注目すべきイベントが目白押しです。

そんな中、最近マーケット関係者の間で言われているのが「米国の政府機関閉鎖」の可能性についてです。

現在の暫定予算は、オバマ大統領時代に可決されているものであり、4月で暫定予算が切れてしまいます。ですので、トランプ大統領は5月以降の予算を作成しなければならないのですが、その為には議会の承認を得なければなりません。
上院で承認を得る為には、議会の3/5以上、つまりは6割以上の賛成が必要なのですが、共和党員が全て賛成したとしても、4議席足りない状態であり、トランプ大統領は、民主党の協力を得なければなりません。

こういった事態にも関わらず、トランプ大統領は、民主党が反対している「国境の壁建設」予算を民主党に認めさせようとしていたり、再度、オバマケアの廃止・代替法案に取組むよう下院共和党に求めています。
また、26日発表予定の税制改革には、法人税や富裕層を対象とした減税が含まれていると見られており、それが本当であれば、民主党は反発するでしょう。

この状況下で、予算案を成立させるのは難しいことのように見えます。では、期日までに予算案を成立出来なかった場合はどうなるのか・・・
そこで起こるのが『政府機関の閉鎖』です。

オバマ大統領の際にも2013年9月に政府機関の閉鎖はありました。その時のマーケットの動きとしては、一時的に大幅安をつけ、その後、株価は回復しました。
となると、一時的なショックのみの可能性もありますが、オバマ大統領の際とは状況は全く違います。オバマ大統領の際に起こった「政府機関閉鎖」は就任後、約4年後のこと。
今回のトランプ大統領は就任して間もなく、今現在、まだ何も成し遂げられていない・・・
トランプ大統領の政策に対する懸念が加速する可能性も否めないだけに月末までの米国の動きには注視しておいた方が良いと思います。