株の窓口THE相場勘 ~米国好決算の背景~

好調な米国。全体としては、どちらかと言うと材料難でありながら、個別企業の決算
内容に支えられています。昨晩のNYダウを見ても、ボーイングだけで上昇の説明がつくのではないでしょうか。

それに加えて、議会が夏休みに入ると見られていたところに、トランプ大統領が『8月半ばまで、オバマケアについて話し合うよう通達を出した』ことで、税制改革なども進むのではないかとの期待感も浮上し、米国市場の上昇を支えた形となりました。

昨晩までで3割強の米国企業決算の発表が終わりましたが、10%近くの増益になっています。ここ数年、第2四半期の決算は、良くないものが多く、その分ハードルが下がっていたと言うこともあるかもしれませんが、これまでのところ好決算企業が多かったように思えます。
理由としては、年初からは下落していると言えども、原油価格が最近の中では落ち着いていることもあるでしょうし、地政学リスクなどのマイナス要因も、これまでのところ今年は少なかったことも、米国企業決算が好調な結果が出ている要因の一つとも言えるのではないでしょうか。

中国や、エネルギーなどについても、ここ数年の中では一番落ち着いている状態で、企業決算も好調となれば、下がれば買いたい投資家が待っている状況となれば、下がるに下がらない状況が続くのかもしれません。
となると、今年の夏については、急速に上昇をすることは、季節的要因を考えても無いでしょうし、昨晩のFOMCの声明を見る限り、長期金利も上がりにくいでしょうから、動かない相場が続くか、出尽くしでジリジリ下げるかと言う事で、とにかく『急速には上がらない』と見ています。
この夏、下げることがなく、今のようにジリ上げが続くようであれば、米国市場は本当に強いと見るべきなのでしょう。

FOMCの声明については、バランスシートの縮小について「年内以降」としていたところが「比較的早い段階に」と変化しており、一歩進めたようにも思えますが、マーケットは、もうちょっと具体的な言及があるのではと思っていたこともあり、さほど影響が無かったと
見ています。

またドル安が米国企業にはプラスに利き始めていることもあるでしょう。

日本と同様に米国も出来高の少ない状況が続いていますが、年末に向けて買い場を提供してくれるのか。今後の動きに注目です。