株の窓口THE相場勘 ~米長期金利と株式市場~

3連休明けの米国市場は、長期金利の上昇が改めて懸念材料視されました。ダウの構成銘柄の一つであるウォルマートが大きく売られたことも全体の売り圧力が強まる展開でした。

3連休前は長期金利が落ち着いたようにも見えましたが、今週中にも長期金利が3%を超えるのではないかとも言われていますし、背景には米国債の大量発行があります。昨晩は2年債のオークションがあり、発行額も前回よりも20億ドル増額されるなど、減税による財政赤字の拡大が予想されることから、国債を大量発行しなければやっていけないということがあります。国債の大量供給で金利が更に押し上げられるのではないかという懸念が今もあると言うことでしょう。

金利の上昇ペースが一番問題になるのであって、国債の大量発行を控えて一気に3%に上昇するようであれば大きなことでしょうし、3%を超えると言うのは2013年12月以来のことですので、今週の動きや展開に注目なのではないでしょうか。

一方で、長期金利が3%を超えてくれば米国債を買う動きが出るとの見方もありますので、そこから更に長期金利が上昇するのか、米国債が買われて動きが落ち着くのか見極めが必要そうです。3%を超えてもなお長期金利が上昇となれば、株式市場への懸念が広がる可能性もありますし、米国債の買い圧力が強まれば、株式市場は徐々に落ち着きを見せるのではないかと思います。

原油価格の上昇はOPEC議長が2019年以降も、必要があれば減産を続ける姿勢を見せており、原油価格を下支えしていたのだと思います。シェールの生産ペースが速まってきていますが、いくら早まっても需要の増加分をカバーするまでには至らず、OPECが減産を続ける限り足元の需給逼迫が続くことで、原油相場は底堅いのではないでしょうか。