株の窓口THE相場勘 ~間もなく値上げラッシュ~

昨晩はNY、LD市場がともに休場だったことから、日経平均先物(夜間)は、ほぼ変わらず、ドル円も変わらずの水準で戻ってきました。材料難であったことから、朝方は動きの乏しさが目立ちましたが、出来高も少ない中、ドル円が111円を切ったことをきっかけに、全体的に
軟調に推移しました。

日本個別で見ると、朝方発表のあった、「4月失業率・有効求人倍率」は予想と変わらずの結果でしたが、「4月全世帯家計調査・消費支出」は予想よりも下振れ、更に前回結果よりも下振れする結果となりました。

日本の消費は良くならないですね。
確かに、1-3月期の決算内容は数字を見ると、良い結果が多かったと思いますが、多くの企業決算の内容を見ると、目だった言葉が「コスト削減」「為替」ではないでしょうか。

つまりは、為替差益で利益が上がり、コストをとことん切り詰めて利益を出しました・・・とも取れるわけで、実際に事業が上手くいき業績が良くなったのは、実際のところ、ほんの一握りの企業のみなのかもしれません。その結果を見れるのが「消費支出」に現れているようにも思えます。

ベアを推し進めても、消費税が上がり、税金が上がり、家計はちっとも良くなっていない中、6月から値上げされるのが
■郵便料金
■タイヤ(大手各社で値上げ)
■電気・ガス代金(5ヶ月連続の値上げ)
■ビールを含めた酒類
■ヤマト運輸の大型便(小口の宅急便は10月から値上げ)
■バター(雪印は5月出荷分から、明治と森永乳業は6月の出荷分から値上げ)
■かつおぶし
更に7月からは日本製粉が小麦粉の値上げを発表しており、粉類も値上げ予定です。

こういった中、どんなに株価が上昇しようと、実際に景気回復を実感できる日本国民は少なく、今までも抑えていた支出を、値上げに伴い更に抑える可能性もあるのではないでしょうか。値上げを受けて、消費される金額は若干上昇する可能性もあるかもしれませんが、その分、抑えられる部分も出てくると考えられます。

株価が先の(未来の)経済状況を反映するとすれば、5月に株を売って11月に株を買う「Sell in May」のシナリオに当てはまる形になるかもしれません。

米経済が良好になり、最近低迷している日本の自動車株や金融株が上昇するようにならないと、全体相場が上昇し国民の給与に反映されずらいと見ると日経平均20000円の壁は遠いのかもしれません。

ですが、株は決して一方通行ではありません。下がると思えば『売り』から入れば良いのです。上昇しそうな銘柄は『買い』から、下落しそうな銘柄は『売り』から。方向感を見極めて、しっかりと利益を握って行きたいですね。