株の窓口THE相場勘 ~FOMC声明文と原油上昇~

昨晩の米国市場は、NYダウとS&P500は4日ぶりの反発、ナスダックも続伸し、決算相場となりました。
朝方発表された、ダウ公正銘柄のキャタピラーや、マクドナルドが予想を上回る好決算を発表し、ダウ平均を大きく押し上げましたが、その後は追随の買いが入ることはなかったのですが、上値は重い展開でしたが高値圏を維持する形で終えました。
昨晩の動きだけ見れば、3指数の中で大きく値を上げたのはNYダウでしたが、高値を更新するには至りませんでした。

これまではFANGを筆頭に上昇を続けてきましたが、マクドナルドやデュポンが上場来高値を更新し、所謂オールドエコノミーと呼ばれるような銘柄にまで、物色が波及しているように見えます。ハイテク企業の決算は、それなりの内容であったにも関わらず、調整売りが入るなど、ハイテク株からオールドエコノミー(主要銘柄)に資金が移ったのは間違いないと思います。

直近でマーケットが注目しているのはFOMCの声明文の内容になるでしょうが、『現状維持』になるとの見方が大半を占めているようですが、秋にはバランスシート縮小に着手することに関しての言及があるのではないかとの期待感が出てきているのは確かでしょう。
利上げに関しては、状況が整っているわけではなく、昨晩発表の通り、景況感指数に関しては強いものも出てきますが、実際の景気を反映するものに関しては、それほど良いものではなく、インフレは依然として伸び悩んでいる状態が続いています。
このことを加味すると、FOMCの内容は、さほどタカ派にはならないと思いますが、唯一注目を集めているのが、バランスシートの縮小がいつから行われるのかと言う部分になるのではないでしょうか。

原油価格は、久々に大きく上昇。
OPECと非OPECの産油国会合が開催されているところですが、原油価格も上昇基調にのってきたかと言うと・・・
これまでサウジは生産量に焦点を当てていましたが、今回は輸出量を制限すると新たな方針を打ち出したことで、買戻しが集まっていますが、実際に6月7月のOPECの生産量はかなり増えていると見られており、今回の会合での声明も『口先だけ』になるのではないかとの懐疑的な見方も強く、暫くは生産動向を見守ってから次の流れを読む必要がありると見ており、上昇基調とは言い切れないと思っています。

個人的には、OPECのことは減産遵守率を見ると信用できない部分もあると見ており、ここに来て価格が上昇したことで、今のうちに生産を増やしておこうという動きが出てきてもおかしくないと思っているので、もし私の読み通りなのであれば、秋以降、新たな下落圧力が強まる可能性も残っていると見ています。