株の窓口THE相場勘  ~トランプ政権の効果が出る時期~

今晩のFOMC終了後に発表される米国金利政策発表を前に、やはり本日も全体的に膠着間の強い相場となりました。
昨晩、米国市場が始まる前には一時115円台に乗せてきたドル円も、WTIの下落に引きずられるように円高方向に傾きました。

今週はトランプ大統領の予算教書も予定されているので、引き続き、動き辛い展開が続きますが、あくまで予算教書であり、議会の決定が必要なものにはなりますので、細かな数字までは出てこないのでは・・・とも言われています。
ですが、この軟調なマーケットで切り返すきっかけにはなるかもしれませんが、米国の動きを見る限りでは、現時点では調整方向に進んでいる可能性があると見ています。

時期を考えても、そろそろ期末の決算に向けた動きや配当取りの動きが出てくる頃でもありますが、WTIを見ても更なる減産が必要な感もありますし、6月のOPEC総会まで軟調な動きをするとなると、企業としては、期末の決算は別として、来期の予想を上方修正するには時期尚早だと考えるのではないでしょうか。

ではトランプ政権下で業績に反映されるのはいつ頃になるのかです。

前回のトランプ大統領演説の前に、インフラ投資法案の審議は2018年頃になるとの報道がありました。そしてムニューチン米財務長官も、トランプ大統領政権の景気刺激策による経済効果について、2017年はわずかである可能性があるとインタビューで答えています。
キャタピラーのCEOもインタビューで、2017年の経済効果はわずかであると言及していました。

インフラ投資は、経済的に見ると、すぐに効果が出やすいものです。契約金額分の経済効果は確実に表れますし、建設機械の購入や雇用などの誘発効果もすぐに顕在化します。
ですが報道の通り、審議が行われるのが2018年になるとすると、今までインフラ投資期待で買われてきた銘柄に一旦は失望感の売りが出てきてしまうかもしれません。

では、未だに詳細が明らかになっていない「驚くべき減税政策」が行われるとすると、以前にも書きましたが(参照;「減税政策発表後の米国は?」)、法人減税を行うだけでも利益を10%強押し上げることになり、米経済への効果は確実なのですが、実際に反映されるのは恐らく来年3月頃の納税時期になるでしょう。一方、出された政策の全てが議会を通過し、活用されるというのは難しいとも思っていますが。

インフラ投資と減税では効果が出る時期に差がありますが、ムニューチン米財務長官やキャタピラーCEOの意見、報道を見る限りでは、今のところトランプ政権では減税政策を優先しているように見えます。4月末までのハネムーン期間中に進めたいのが減税政策ということかもしれませんね。

ですが、大きな方向で見ると、やはり好景気に向かって動いているとは思いますので、押し目は拾うで良いのだと思いますが、それぞれの政策が進められると、効果の出る時期というのは頭に入れつつ銘柄選定した方が良いと思います。