株の窓口THE相場勘  ~大量保有報告書で株はどう動く?~

昨晩は米国市場がお休みと言うこともあり、本日の日経平均は終始、薄商いで推移しました。昨日も今年最低の商いの中、相変わらずの日銀のETF買いが入り、何とかプラス圏で引けた日経平均ですが、昨日の東証一部の売買代金が1兆712億円。日銀が買っていたのがETF・704億円、設備ETF12億円。と言うことは、昨日の商いのうち、約41%を日銀が買っていた計算になりますね。

薄商いの中、日銀ほどの大口になると方向感は一方通行になってしまうこともあるので、私個人では、全体の方向感はまだ出ていないのではと慎重に見ています。

テクニカル面から見ると、日経平均は未だボックス圏内を推移しておりますし、ドル円が一目均衡表の雲の中で推移しているうちは、どちらに動いてもおかしくない状態ではないでしょうか。とは言え、2月10日のSQ値を越えたのは上昇の可能性を感じられる部分でもあり、良い兆候だとも言えるとは思うのですが、今週は特に経済指標の発表も重要な物が無いので、今晩の米国の動き、ドル円の動きがどうなるか・・・と言うところでしょうね。

本日は大量保有報告書について書いて見たいと思います。皆様も銘柄のニュースを見ていて、「5%ルール・取得」ですとか、「○○○投資顧問や○○○証券会社が○%株式取得」というのを見たことがあると思います。
この「大量保有報告書」とは、発行済み株式の5%以上を保有した場合、5営業日以内にその株の取得者が提出しなければならないものです。それだけ多くの株が証券会社や投資家に買われているのだから、評価が高く、今後株価が上昇すると思われがちですが、一概には言えません。
もちろん上昇を意識して買って保有することもありますが、証券会社の場合、お客様の「空売り」に対応する為に株を保有している場合もあるのです。
大量保有報告書の詳細を見てみると、目的欄に保有の理由が記されているのですが、高値圏にある株の大量報告書には「お客様の貸借取引の為に株を保有している」ことが書かれていることがあります。つまり大量報告書が提出されてるから買っている人が多いというわけではなく、逆に空売りをしている人が増えてきていると見ることも出来るのです。
そこで考えられる投資法として、空売りが多いのであれば自分もその流れにのって空売りで入れば利益が出せるのか・・・
そうとも言い切れないのが株式投資の難しいところ。理由は5営業日以内に報告することにあります。大量報告書が確認できる時点では、既に保有率が変わっている可能性があるからです。

薄商いで、特に目立ったニュースや経済指標の発表がない場合、「大量保有報告書」が出たことが買い材料になる場合もありますが、その裏では「空売り」をしている人が増えてきている場合もあると言うことに注意して下さいね。