株の窓口THE相場勘 ~2つの不安材料~

昨晩の米国市場はNYダウは4日連続で高値を更新する中、ハイテク株を中心に利益確定売りに押され、更には半導体関連の急落がありました。

これを受けた日経平均は、寄り付きは底堅い動きを見せていましたが、週末と言う事で、新たな買いも入りづらく、右肩下がりの相場となりました。

昨晩の動向で注目しておきたいのは2つ。
『米国が国境税導入見送りを決定』
『LIBOR廃止』

まずは『米国・国境税導入見送り』について。
そもそもこの政策は、海外で生産した物を米国に輸入し販売する企業の税負担を重くする目的であった為、トヨタなどの自動車メーカーや、小売のターゲット、ベストバイなどから反対されていました。トランプ大統領が選挙中から言っていた「アメリカで作って、アメリカ製品を買いなさい」と言う方針につながる政策と言う事で、米国に工場を作るよう、トヨタなどはトランプ大統領からtwitterで批判されていたのも皆様の記憶に新しいのではないでしょうか。今回見送られたことは、日本の企業にとっても、米国の小売企業にとっても悪くないことに思えます。

ですが同時に、国境税などのあらたな財源なしには、トランプ政権が言っているような税制改革を達成するのは難しいのではないかとの見方が出てきています。
このことがまず一つ目の不安材料ですね。発表を受けて、まだ低い水準ではあるとは言えど、米国のVIX指数が久々に反発しています。

『LIBOR廃止』について。
LIBORとは、ロンドン銀行間取引金利のことなのですが、これまで多くの金融商品の指標金利として利用されてきました。2021年末までに終わらせることが決定しましが、代わりになる指標を探すことや、LIBORを利用している金融商品等については契約を行う上で再契約が必要になりますし、LIBORを基準にブログラムされているコンピューターシステムも更新作業が必要になってきます。マーケットは代替指標がどうなるか等が不安材料となる可能性もありそうです。

不安材料が2つに加えて、週末と言う事で、本日の日経平均は下げ基調になったのではないでしょうか。

日本の決算内容については、概ね良好なものが多いように見えますが、特に、これまで人気化していた銘柄については、コンセンサス予想もかなり高くなっており、予想に届かないことで利益確定につながる動きも多く見られます。
まだ、第1四半期決算ですから、そう失望することも無いと見ていますが、決算相場では思いもよらぬ動きを見せることも多いので、あまり無理なさらずに・・・

と言う事で、今週もお疲れ様でした。皆様、素敵な週末をお過ごし下さい。