株の窓口THE相場勘 ~減税で得をするのは~

昨晩、NYダウは更に高値を更新してきました。トランプ大統領の会見があるということで、先週発言のあった「驚異的な減税」についての発表があると思われましたが、昨晩の発表の内容は「オバマケア」についてでした。いずにれせよ、有言実行のトランプ大統領のことですから来週か、もしくは再来週には減税の詳細が出てくるのは間違いないことだと思います。

気になるのは「驚異的な」というところ。トランプ大統領は今まで、法人税を現行の35%から15%に引き下げると訴えてきました。「驚くべき」との内容は、それ以上のものなのか否か・・・

今まで訴えてきた通り15%に引き下げるだけでも、米国の金融機関にとっては大きな恩恵になります。15%に引き下げられるとすると、米国6行の合計で年間、120億ドルもの減免が行われることになります。もちろん、金融機関を今まで苦しめてきた「ボルカールール」や
「ドット・フランク法」の撤廃が現実化すれば大きな影響があるのは間違いないでしょう。
ですが、引下げの料率については分かりませんが、現行の35%から引き下げることについては議会が通りやすいとの見方が優勢になっています。
米国・大手銀行は2015年までの3年間で連邦税の実効税率を28%課せられており、これは米国・大企業の平均14%の2倍に相当します。減税されることは銀行にとって、他の業種に比べて控除を受けることが少なく高い実効税率を課せられているのを考慮すると、最もメリットのある業種の一つと言えるのではないでしょうか。

2015年に支払った税金で換算して、トランプ大統領の訴えてきた通り税率が15%、現在の控除が無かったとすると

ウェルズ・ファーゴ: 税金は38億ドル少なくなり、収益率は16%高かったことになる。
JPモルガン・チェース; 税金は30億ドル少なくなり、純利益は14%高かったことになる。
シティグループ: 米国外での収益が多い為、恩恵は他行に比べると少ないと見られている。
バンク・オブ・アメリカ: 既に米国内で低い実効税率が適用されており、現在の控除が適用されなくなると減免額が少なくなると見られている。

今や、世界のマーケットの中心となっている米国のマーケットですから上昇の理由、今後とられる政策による効果はチェックしておくと日本のマーケットを見る上で関連性を見つけられるのではないでしょうか。

日本のマーケットでは、ファンドの配当確保の為の利益確定売りが出てきていると言われています。最近の下げの要因の一つだと思いますが、この流れが落ち着いてくるとまた、新たな銘柄に物色が入ってくるものと思われます。スウィング投資をされている方は、これらのことを頭の片隅に入れ銘柄探しをしてみるのはいかがでしょう。