株の窓口THE相場勘

昨晩の米国市場は長期金利の上昇がマーケットの売り材料として重要視されました。10年債利回りは4月につけた高値水準を越え3.07%となり、マーケットが無視出来ない水準となってきたのではないでしょうか。

金利の上昇は景気回復を反映して上昇しますし、インフレ加速懸念の材料ともなりえます。つまりは好悪材料のどちらにもなり得ます。

金利の上昇は緩やかな上昇であれば、景気回復を裏づけするものと受け取られますが、ペースが速くなるとコントロール出来なくなるという懸念に繋がりやすいのではないでしょうか。この先も米・長期金利は上昇していくのでしょうが、今回のようなペースの速い上昇が何度も見られるようであれば、警戒感は強めるべきだと思います。

逆に、ペースが穏やかなものとなれば株式市場にはプラスに働くこともあるでしょう。いづれにせよ、マーケットの反応を見る限り、今の金利上昇ペースは早すぎると言えるのではないでしょうか。

原油については、米国がイラン核合意離脱を決定したことでイランの原油生産が落ちていくと見られていることが下支えになっているようです。エルサレムに米国大使館が移転したことで、パレスチナのデモが活発化しています。これに対しイスラエルは強硬な態度を示しており、今後まわりの中東諸国の反発を買う可能性があり、さらに中東情勢が緊迫化すれば原油市場にはプラスに働き、インフレ懸念が高まる・地政学リスクが浮上するなどの影響も考えられますので引き続き注意しておいた方が良さそうです。