株の窓口THE相場勘

昨晩の米国市場は、イタリアの政局不安や中国との通商交渉への懸念が台頭し、リスクオフの動きを強める形となりました。イタリアでは再選挙の話も浮上してきており、この問題は長期化する可能性もありそうです。イタリア、ポルトガル、ギリシャなどの国債が売られ急上昇していることから、一部では2012年の債務危機が再燃する可能性の声も出てきています。

イタリアの国債が急上昇している一方で米国やドイツの長期金利が急低下しています。直近では、米国の長期金利上昇が問題視されることがありましたが、今回の金利低下は欧州の政治不安により米国債に資金が集まったことが要因です。

ここで見ておきたいのが金利が下がった割りにドルは売られていない印象です。為替の動きを見る限りドル高の動きは続いているように思えます。金利が下がりドル高が継続するようだと、懸念の残る国から資金が流出していくことに繋がる可能性もある為、注意が必要ではないでしょうか。

原油価格については、ロシアが原油を増産すると発言が出ています。特にサウジがロシアと話し合いの場を持ったということで、増産の可能性が出てきたとの見方から原油価格は下落しています。ですが、OPECは原油価格の押し上げを目標に始めたことであり、6月22日のOPEC総会の際にどの水準にあるかに注目。22日までWTI価格の下落基調が続けば、当初の減産の目的を考えると『増産の話は立ち消え』になるのではないでしょうか。