株の窓口THE相場勘

昨晩の米国市場では、トルコ・リラの急落が一服したことから、トルコに対する懸念が一旦は後退したようです。参加者が少ない中での動きであったこともあり、問題が解決したわけでもないことから、懸念は一服しつつも上値の重たさも見られました。

トルコの問題については、トルコ向けの債券を多く抱えている欧州の金融市場で、この問題が欧州に波及するのではないかとの懸念であり、欧州に何らかの問題が出てくることが一番の問題なことや、他の新興国通貨もトルコ・リラと同様の下落をしていることから、引き続き注意が必要な状況にあるのではないでしょうか。

また、米国が先行して利上げを行ってきたことや、保護主義政策などは、もともと悪影響が懸念されていたところにトルコ通過危機をきっかけに明らかになったと考えられます。つまりは、同様の問題がトルコ以外の国にも出てきてもおかしくないと、これまで以上に世界各国の状況を見守る必要がありそうです。

原油価格を見ると、他の市場よりも早く世界経済の懸念を織り込み始めたように見えます。少し前までは産油国の動向など供給面の材料に注目が集まっていましたが、直近では景気動向などに対し注目度が集まっている部分が見られるようです。景気先行指数として、原油の動向にも注視したいところです。