株の窓口THE相場勘 ~日経平均年初来高値!~

昨晩は特に注目すべき経済指標の発表もなく、材料難であったことから、本日の日経平均は、海外マーケットの動きに左右されるとは思っていましたが、米国では、ハイテク株に買いが入ったことでマーケットに安心感が広がったところに、NY連銀のダドリー総裁が、ピッツバーグでの講演で、『イエレンFRB議長と同様、米国経済に自信』を示したことが伝わり、ドルが買われ急伸したことを受けて、日経平均も年初来高値を更新する形となりました。

米石油会社のリグ稼動数が引き続き増加し、更にはリビアの生産量が増えていることから、WTI原油先物は供給過剰を懸念した売り物が続き、再び軟調に推移していることは気にはなりますが、世界のマーケットは依然として強さを見せています。

重大なイベントが特に無いことから、一方通行に動きやすい相場であったことも起因していたかと思います。

日本の動きを見ていてもこれまで売られていた自動車やゴム、鉄鋼など幅広く買いが入り、これまで上昇していた銘柄はプラス圏と言えど大きく動いていた感はありませんでしたので、循環物色がきいているのだとすると、良い環境にあるとも取れると思います。

さて今晩は今週の中では注目すべきイベントとも言える、米・MSCIが中国A株を指数に組み入れるか否かの判断結果を発表します。
詳しくは昨日のブログをご覧下さい(参照;こちら“株の窓口THE相場勘 ~日経平均年初来高値!~” の続きを読む

株の窓口THE相場勘 ~今週注目すべきは~

週末発表のあった、米5月住宅着工件数が予想をしたまわり、3ヶ月連続の減少。
NYダウは上昇で終えたものの、米・債券利回りが低下してきていることや、共和党政策の遅れの影響が出てきている可能性があり、6月利上げは決定したものの、FOMCメンバーから『追加利上げ』に関し、慎重な発言まで出始めました。

米・ミネアポリス連銀総裁は、インタビューで、「利上げ反対意見は、私一人でない」との意見を示し、「インフレ鈍化が一時的である確証が持てるまでFRBは利上げを見送るべき」と発言しています。

また、投票権は持っていませんが、セントルイス地区連銀総裁も、「現在のような低成長環境では、利上げは必要ない」と言っています。

ここから暫く、海外の重要イベントが無いことから、米・経済指標の結果を見極める時期になりそうです。

NYダウは上昇していますが、今週はフェイスブック、アマゾン、ネットフリックス、アルファベット(グーグル)の『FANG』銘柄が下げ止まれるかにも注目ではないでしょうか。
FANG銘柄が調整期間に入ったとしても、その資金が別セクターにシフトされるのか・・・
をしっかりチェックする必要がありそうです。 “株の窓口THE相場勘 ~今週注目すべきは~” の続きを読む

株の窓口THE相場勘 ~『ヒンデンブルグ・オーメン』点灯~

昨晩の米国市場では、再度、アップルやアルファベットなどのハイテク株が売られる展開でした。

ドル円が4月下旬以降で最大の上げ幅となり、本日、日本の場中には111円台に回復し、下落して始まった米国マーケットはマイナス圏で終えたものの、下げ幅を縮小した形で終えました。

テクニカル面で見てみると、ドル円の日足は本日25日線と50日線がデッドクロスしたところで50日線を上に抜けてきています。デッドクロスが正しい動きなのか、上抜けが正しいのか、ここからの動きに注目です。

バンク・オブ・ノバスコシアのショーン・オズボーン氏は、このドル高円・安の動きについて、楽観的な見方に否定的で、「短期的なドル高は、売りの後期であると見ている」、「投資家はリスクがより少ないマーケット(最近では欧州)に資金を移動させる」と指摘しています。

昨日のブログにも書いた通り、現在の状況下において、トランプ政権が年内に減税やインフラ投資等の政策を実行するのは困難であることを加味すると、米国マーケットがこのまま高値を更新し続けるのは難しいことから、しかるべく調整機関に入るであろうと思うと、ドル円・米国のマーケットの動きに影響を受けやすい日本株も、独自に高値更新の動きを見せる可能性は低いのではないかと思っていますが、本日のところは、日銀金融政策決定会合も終えて、無事にイベントを通過したという安心感からか日経平均は上昇しています。

直近、テクニカル的な株価暴落の前兆とされている『ヒンデンブルグ・オーメン』が点灯したことも注意したいところです。
過去のデータによると、ヒンデンブルグ・オーメンが確認された後、77%の確率で株価が5%以上下落すると言われています。またパニック売りとなる可能性は41%、株式市場が重大なクラッシュとなる可能性は24%。 “株の窓口THE相場勘 ~『ヒンデンブルグ・オーメン』点灯~” の続きを読む

株の窓口THE相場勘 ~マーケットは調整機関に突入~

FOMCの結果が出ましたが、読み筋どおりの結果だったと思います。今月の利上げ確率は一時期100%で取引されていたこともありましたので、予想通りの結果でしたが、本当は今月は見送ったほうが良いと私は見ていましたが、ここまでマーケットに利上げが織り込まれていたのを考えると、やらないことでショックが走る可能性が高かったと思うと、今回の決定はやむを得なかったのかもしれませんね。

利上げ、資産圧縮の方向性を明確に出したにも関わらず10年債利回りが下がり、今年最低の水準、2.12%にまで下がってきています。
この動きは、マーケットが今回の利上げは適切ではないと見ているにも関わらず、FRBが利上げを決定したことを表していると思います。特に、昨晩のFRBの決定を前に発表のあった5月消費者物価指数は予想0のところ-0.1、コアについても前年同月比+1.7で、過去10年平均の1.8をも下回っています。
ですが昨晩の発表だけではなく、先行性の高い指標は、ここ1ヶ月、予想を下回ってきていますし、2月3月以降は期待インフレ率がずっと下がってきており、今や1.6%しかありません。一時、期待インフレ率は2.3%まで上がっていたので、その状況下で3月や昨年の利上げと言うのは納得がいきますが、原油価格が下がってきて、経済指標も弱くなってきており、この状況下で夏までに税制改革を行うということが絶望的である中、今回の利上げを決定したことは、後々、後悔する結果になる利上げであったと言うことは、債券市場が明確に意思表示していると言うことなのではないでしょうか。

債券市場は今年の最低水準です。
振り返って見ると、大統領選挙があり、その時の10債利回りが1.8%、トランプ大統領が選出され、期待感で2.6%まで上昇しましたが、そこからは一貫して下落。本日の時点では2.1%までつけています。
それと同時に金利と同じような動きをしていたのが金融株。トランプ相場を牽引していたのが金融株であり、金利が下がると金融株、つまりはトランプ相場のリード役が下がると言うことなので、今後このことがマーケットに現れてくるのではないでしょうか。 “株の窓口THE相場勘 ~マーケットは調整機関に突入~” の続きを読む

株の窓口THE相場勘 ~米金利引き上げを前に~

ハイテク株の売りが一巡したことで安心感が広がり、昨晩の米国市場は安定的に買いが集まり、上昇しました。

今晩はFOMCの発表もあり、引き続き警戒感は必要かとは思いますが、下げたところは買いが入るということを立証した相場であったと思います。

利上げに関しては経済指標に弱気の内容が多く、インフレに関しても圧力が弱まっているのは間違いないですが、年内にはバランスシートの縮小に着手したいFRBを考慮すると、
出来るうちに利上げをしたいと言う気持ちもあるでしょうから、今晩の発表はタカ派なのかハト派なのかで動きが出るかもしれませんね。

OPECのリポートでは5月の産油量は、増加したことが明らかになっています。
減産合意に参加していないリビアやナイジェリアの生産量が増加してきていることや、シェールの増産を加味すると更なる減産が必要なようにも思えますが、今のところサウジに更なる減産の意は無いようですので、WTI50ドルと言うのが少し遠くなったようにも思えます。

日経平均もこれらの外部要因を受けて、方向感が乏しい展開であることや、利上げ目前となってもドル円の動きが軟調であることを見ると、利上げの発表後、動きがあるのかも懐疑的ではありますが、とりあえず、米国時間の今晩、日本時間では明日の朝方に発表される
利上げに対する声明を聞かなくては、マーケットの方向感が読めない状況だと思います。 “株の窓口THE相場勘 ~米金利引き上げを前に~” の続きを読む

株の窓口THE相場勘 ~相変わらずの様子見ムード~

昨晩も米国では、ハイテク株の売りが目立ったものの、引けた後、時間外では多少戻しているようではありました。米国市場では今週金曜日がメジャーSQと言うこともありますし、6月のメジャーSQ前は下げやすいというアノマニーがあり、このことが今週に入ってからの米国の動きを反映しているとも取れるのではないでしょうか。

また、昨晩もアップルに対する投資判断引下げがあり、IT関連銘柄に売りを誘った形なのだとは思いますが、時間外取引を見ていると今晩あたり、一服感も出るような気もします。

ですが、米IT関連株はここ最近の上昇牽引役であっただけに、この動きが落ち着くまでは積極的には買いにくい状況が続きそうです。かと言って、積極的に売りが入るかと言うと、米・FOMCでの利上げの発表を前に、特筆すべき売り材料も見当たらないと言うことろでしょう。

6月の利上げ確率は90%を超えており、このことはほぼ織り込まれていると見られていますので、今後の焦点は、今後の利上げペースとバランスシートの縮小について。
この2点について、どのように触れられるかと言うことになるかと思います。

先週こちらのブログにも書きましたが、このところ出てくる米・経済指標は、軟調なものが多いことを見ると、単純に考えれば6月利上げを行うことで、のちのち発表される経済指標は更に軟調なものになるのではないかと思いますが、明らかになってくれば調整局面入りも避けられないと見ています。
そうなったとしても、長期目線で見れば、米・共和党の政策、特に『減税』が行われれば、米国経済は良好になるでしょうし、今の水準よりも更なる上を目指せると思っていますが、どんなにスピーディに進めたとしても、すぐに実行できるわけではありませんから、やはりしばらくは身動きが取りづらい、もしくは軟調に推移する可能性の方が高いと見ていますが・・・ “株の窓口THE相場勘 ~相変わらずの様子見ムード~” の続きを読む

株の窓口THE相場勘 ~セクター物色に変化~

週末の米国は、これまでとは違った動きが見えました。
これまで米国の上昇を牽引してきたアップルなどのハイテク株が売られ、ナスダック・SOX指数が下落しました。そして、これまで売られていた金融株やエネルギー株に買いが入る形でNYダウは上昇。

ハイテク株が売られた要因としては、米アップルが今年の秋に発売予定の新型iphoneに搭載されるモデム半導体のダウンロード速度が、他社のスマートフォンに劣るとの報道があった他、空売り専門の調査会社『シトロン・リサーチ』がtwitterで『株価下落』を予想。また、ゴールドマン・サックスがハイテク株に対し、割高と指摘したことなどが挙げられます。

金融株が上昇した要因としては、米・下院が『ドット・フランク法』に関する『金融選択法案』を可決したことが主と言えそうですが、今のところ上院での可決は難しいと見られていますが、
先に述べたハイテク株が売られる要因から、金融セクターに今後も資金が集まるかどうかが、今週の注目点とも言えるかもしれません。 “株の窓口THE相場勘 ~セクター物色に変化~” の続きを読む

株の窓口THE相場勘 ~英・総選挙を受けて~

今週の最大のイベントであった英・総選挙を受けて前場終わりにかけて大幅高を見せた日経平均ですが、選挙の結果からすると、メイ首相が言っていた『円滑で段階的なハードブレグジット』という従来のコンセンサスに対し見直しが必要になってくる可能性が出てきた結果だったと思います。

このことは、英国・ユーロにとってどのように進むかと言うのが見えたわけではなく、今後それなりのボラティリティーが生じる可能性が出てきたと見るべきではないでしょうか。
日本だけでなく、しばらくは市場も様子見姿勢が続くことも考えられる為、引き続きポンドは下落しやすいかもしれません。

米国の選挙の時もそうでしたが、日本のマーケットでの動きが、海外のマーケットの動きを受けて、翌営業日には一変してしまうこともありますので、今晩の欧州・米国がどのように動くか見てから判断したい投資家が多かったのか、後場にかけては利益確定売りに押される場面もありました。

来週はいよいよFOMCが開催され、6月利上げが行われるでしょうし、その後はと言うと、昨日ブログにも書いている通り、利上げの影響が米国の期待インフレ率にどう影響してくるか
との懸念もありますので、すぐに結論が出るものではないとは思いますが、全体が勢いづくかたちは想定しにくいところでもあります。
まずは今晩の海外の動きに対して、本日の日本のマーケットの動きが正しいのかどうか・・・
というところでしょうか。 “株の窓口THE相場勘 ~英・総選挙を受けて~” の続きを読む

株の窓口THE相場勘 ~債券市場の見方が正しい可能性~

マーケット関係者が関心を示していたコミーFBI元長官の公聴会内容が事前に内容が公開されましたね。内容自体は、予想通りでしたので、特にサプライズもなく、後は今晩の公聴会で質疑応答を無難に通過するのを待つのみ。公聴会で新たなサプライズが出てくる可能性もないでしょうし、マーケットの反応を見る限り、特に心配をすることもなさそうです。

では、この公聴会が終われば、ロシアゲート問題が一服、つまりはマーケットの嫌う『不確定要素』が取り除かれるということから、マーケットは上昇基調になるのかと言うと、それは違うように思います。
ここ数日間でも米国株式は3指数ともに史上最高値を更新する動きがありました。となると、マーケットはそもそもこの『ロシアゲート問題』を重要視していなかったと言う見方も出来ることから、マーケットの上昇に追い風とはならない可能性の方が高いのではないでしょうか。
(上院の可決が必要な際に、こう言った問題から可決がすんなりいかず、法案成立までに時間がかかるであろう懸念が残っていることに変わりはありません)。

では今後の米国の動きはどうなるか。
押し上げの筆頭となっているのは、アップル・グーグル・アルファベットなどのIT関連株なのは皆さんもご存知かと思います。ですが、マーケットの上昇をする上で、理想的なのは『金融株』の上昇が筆頭に立つことです。
金融と言うのは世の中にお金を回す為に必要なもの。つまりは人間の体に血液を流す役割を果たす心臓が、世の中の金融の働きとも言えると思っているので、今後経済が良好に進むには、金融株の台頭が必要だと考えています。

ですが、最近の相場上昇の影に隠れていますが、米国長期金利が大統領選挙以来、低水準になっており、それに歩調を合わせるように金融株も大統領選以来の低水準を推移しています。米・大統領選以降、金融株が上昇相場を引っ張ってきたことを考えると、最近のこの動きには危うさを感じます。 “株の窓口THE相場勘 ~債券市場の見方が正しい可能性~” の続きを読む

株の窓口THE相場勘 ~イベントデーを控えて~

昨日ブログにも書いた通り、昨晩の米国も日本と同様、債券・為替等にはリスク回避の動きが見える中、株は軟調であったとは言え、相変わらずリスクオンの動きをしていました。

リスクオンとは言えども、8日には『ECB理事会・英国選挙・コミーFBI元長官の公聴会での証言』と3つも大きなイベントがあることから動きをとりづらい展開でもあったかと思います。

このイベントを通過してからどう動くのか。
日本のマーケットも軟調とは言え、再度高値を狙うことも可能な領域にいることなどを踏まえると、どちらの方向に進むのかを見極めないと、と言うことろではないでしょうか。

原油市場は、カタール問題がネックになりそうですね。
サウジアラビア、UAE、エジプト、バーレーンの中東4カ国がカタールと国交断絶を発表。
この問題の為、OPECの今後に対して懸念が浮上しており、今後、減産が必要な場合に直面する際には、更なる減産は難しいのではとの見方が台頭してきています。
そんな中、リビア・ナイジェリアが増産してきていることも報道され、WTI価格は暫く軟調に推移するのではないでしょうか。 “株の窓口THE相場勘 ~イベントデーを控えて~” の続きを読む