株の窓口THE相場勘 ~日経平均が上がりきれない理由~

個々最近の日経平均は、日銀のETF買いや国債のオペ買入れがあるにも関わらず全体的には上昇基調に乗り切れていない(個別は別として)・・・
むしろ調整局面入りとの声がマーケットで言われているようですが、なぜか?
もちろん週末に日米首脳会議を控えて様子見ムードが強いのもあるでしょうし、最近の円高も関係しているのは確かです。ですが、日経平均が大きく上昇するには、やはり外国人投資家の買いが入ってこないことには勢いがつきませんよね。

1月第3週、海外投資家は日本株を3026億円売り越しでした。(現物先物合計)
この週の空売り比率を見ると1月17日(火)、18日(水)で40を越えています。
先週分の結果は明日出てきますが、空売り比率を見ると2月2日(木)、3(金)と40を超えていたので、先週も海外投資家は売り越しの可能性が高いのではないかと思っています。

そして最近のレーティングを見て気になることも・・・
日経の会社が出してくるレーティングは、決算が下方修正されていても目標株価の引き上げや、レーティングは悪くても据え置き。
外資系の会社が出してくるレーティングは決算を見て、素直に目標株価の引下げや、レーティングの引下げをしています。
皆さんは、日経の会社と外資系の会社とどちらを信じますか?

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株の窓口THE相場勘 ~日銀の長期国債買い入れオペ~

為替がとうとう112円を切ってきました。
昨日発表のあったTOYOTAは、想定為替レートを今期110円、通期で107円に変更することで上方修正となりました。既に決算を発表した会社も同様の為替レート前提で決算を発表しているところもあり、ドル円は110円が目安となりそうですね。
テクニカルで見ると、為替は一目均衡表の中で推移しており、雲の下限が今のところ109.95円。ここがサポートラインになるのか・・・

為替操作ではないとの日本の主張はありますが、実質の為替操作(だと私は思っています)である日銀の政策を維持するのが難しくなってきているのはご存知ですか?

日銀は先週末3日と昨日6日の2日間で約1兆6200億円の国債を買入れました。
これは2013年4月以降で最高の買入れ額です。
国内だけでなく、海外全体でも金利上昇圧力が強まっている現在、日銀は『緊急オペをせざるを得ない状況』になっていると見られます。これを繰り返すと量を減らすこともしずらくなり、金利上昇圧力を日銀の力のみでは止めづらい為、結果的には長期金利ターゲットを引き上げる可能性が出てきてしまうかもしれません。 “株の窓口THE相場勘 ~日銀の長期国債買い入れオペ~” の続きを読む

株の窓口THE相場勘 ~プラザ合意の可能性~

週末のNYダウは、堅調な雇用統計とトランプ大統領の「ドット・フランク法」見直しについての大統領令により、再び20000ドルを超える堅調さを見せていたのに対し、日本は今週末の日米首脳会談での為替の行方に対する不安視から方向感の乏しい一日でした。

また週末の米国は上昇したのに対し、雇用統計の賃金の上昇率が予想に達しなかったことからドルが売られ円が買われたとのことでした。

日本の決算発表を見ると「為替前提」に通期の見通しを上方修正している会社があり、日本はまだまだ為替差益による業績期待がぬぐえない状態のようです。そうなると2月10日に行われる日米首脳会議に注目せざるを得ないということでしょう。

2月1日、日本経済研究センターと一橋大が都内で開いたシンポジウムのパネル討論会で内閣官房参与の浜田宏一エール大学名誉教授は「日米首脳会談で現代版のプラザ合意が浮上する可能性がある」と指摘しました。浜田教授は、先日『株の窓口THE相場勘』でご紹介した米・シムズ教授の論文を読み(参照;シムズ教授の主張について)「デフレ脱却に金融政策だけでは不十分だったということですか。」 という質問に対し、「私がかつて『デフレは(通貨供給量の少なさに起因する)マネタリーな現象だ』と主張していたのは事実で、学者として以前言っていたことと考えが変わったことは認めなければならない。今後は減税も含めた財政の拡大が必要だ。」と答えている方です。 “株の窓口THE相場勘 ~プラザ合意の可能性~” の続きを読む

株の窓口THE相場勘 ~日米首脳会談での日本の提案~

本日の日経平均は円安の動きにつられて軟調に推移。今週でピークの決算ウィークが過ぎるのでマーケット関係者の注目は来週、2月10日に行われる日米首脳会談に集まっているようですね。そこで本日は個人的な見解を書こうと思います。

私は仕事柄、政策や各国のTOPについて分析はすれど、お国の偉い方達の政策に関しては意図を探す、方向性を探るようにしています。私は経済学者ではないし、国のトップに立つ人は、あらゆる面から考えて政策を出してきていると思うからです。
ですが、昨日発表のあった来週の日米首脳会談の提案は・・・。言葉を失いました。

提案のお題は「日米成長雇用イニシアチブ」。経済協力の5本柱で「両国に成長と雇用をもたらし、絆をさらに強化」すると言うのが、いわゆるスローガン。米国のインフラ投資に、約17兆円の投資で65万人の雇用創出を目指すと言うものです。また、テキサス州やカリフォルニア州の高速鉄道計画への協力、都市鉄道、地下鉄車両の3千両刷新などをも盛り込むそうです。そこにGPIFのお金を投入すると・・・ “株の窓口THE相場勘 ~日米首脳会談での日本の提案~” の続きを読む

株の窓口THE相場勘 ~トランプ大統領発言について~

昨晩の米国はアップルの好決算を受けてプラスで終えましたが実際のところ、アップルのみで50ドルほど上昇していたことを見ると、それ以外の銘柄は実質マイナスもしくは横ばいでした。最近は期待から株価が上昇していたところがあり、昨晩発表のあったADP雇用統計やISMなどの経済指標が予想を上回っていたことに対して、FOMCの声明に強気の踏み込んだものではなかったという見方から失望売りとの声がありました。

実際、トランプ大統領の財政出動があったわけではなく、期待値からの上昇であったことを考えると、これからのトランプ政権の出方や米経済への影響を見ながら・・・と言うのが通常であり、マーケットは前のめりになっていたということではないでしょうか。

ですが、米国の経済指標を見ると、米国は強い!の一言。昨晩のISMやADP雇用統計もしかり、米国経済が拡大しているのは間違いないようです。

本日の米国では雇用統計の発表がありますが、今まで出てきている雇用指数を見ると数字だけ見るともう雇用を拡大させる必要は無いのではないかとも思えてきますが、トランプ大統領は依然として雇用拡大を指示しています。
なぜか? “株の窓口THE相場勘 ~トランプ大統領発言について~” の続きを読む

株の窓口THE相場勘 ~マイナス金利政策と物価上昇について~

今週の日本は決算ウィーク。続々と決算が発表されており、為替の動きをにらみながら個々の業績を見極める動きになっています。トランプ大統領の「日本と中国の為替操作・・・」と言う発言は気になるところでありつつ、長い目で見ると米国の経済政策に期待もあり、押し目は拾いたい投資家心理が働いているようです。

決算で個別銘柄を注視するのはもちろんですが、日本の今後はどうでしょう。昨日の日銀政策決定会合では、
・長短金利とも操作目標を据え置き。
・上場投資信託(ETF)や不動産投資信託(J─REIT)など資産の買い入れ額も維持。
・物価が目標の2%に達する時期は「2018年度ごろ」に据え置き。
との内容になりました。黒田日銀総裁は、マイナス金利政策に対しても自信をしめしているとのこと。 “株の窓口THE相場勘 ~マイナス金利政策と物価上昇について~” の続きを読む

株の窓口THE相場勘 ~トランプ大統領とシリコンバレー~

昨晩は米国で発表された中古住宅販売件数は予想を上回ったにも関わらず、NYダウは20000ドルをきってきました。トランプ大統領が27日に署名した「イスラム圏7カ国からの入国を禁止する」大統領令に対し、リスクオフの動きが強まったのが理由とのことですが・・・

本日は米国でこの「入国禁止」についてどのような動きが出ているかを書こうと思います。

トランプ大統領は昨年12月半ば、シリコンバレーのTOP等と非公式会談を行いました。(詳細はこちら:トランプ氏の非公式会談)非公式となっていましたが、会合では移民問題や中国問題、サイバーセキュリティや税制について話し合われたと言われており、選挙期間中の反トランプ派だったシリコンバレーのTOP等とは和解され、今後は米国躍進の為に協力関係にあると見られていたようです。

ですが、今回の入国禁止について、グーグル、フェイスブック、セールスフォース、マイクロソフトなどのテクノロジー企業から一斉に講義の声が上がっているとそうです。彼らの言い分は「米国の理念に反すると共にイノベーションのエンジンを止めるものだ」と言うこと。 “株の窓口THE相場勘 ~トランプ大統領とシリコンバレー~” の続きを読む

株の窓口THE相場勘 ~マイナス金利決定から1年~

本日は週末の米国GDPが予想を下回ったことや、為替が円高方向動いたことから日経平均は軟調に推移しました。また、三井住友(8316)の決算は、トップライン収益強化に向けた経費投入やマイナス金利の影響が重石となり、市場予想を上回ったものの、利食い優勢の結果となりました。

昨日29日で、日銀がマイナス金利(※)の導入を決めて1年。マイナス金利を受けて結果はと言うと・・・

■良くなった点
・金利の低下から住宅ローンの借り換えが急増
・企業が資金を調達するために社債を発行する動きが活発化

■悪くなった点
・企業投資や個人消費は活性化せず
・消費者物価の上昇率は先月まで10ヶ月連続マイナス圏内
・日銀の想定以上に金利が低下し、地方銀行や金融機関の収益が圧迫された
・個人や企業の資産運用が難しくなった
・資産運用が難しくなった保険会社が一部の保険商品の販売をとりやめた “株の窓口THE相場勘 ~マイナス金利決定から1年~” の続きを読む

株の窓口THE相場勘 ~日銀金融政策決定会合~

アメリカの決算もそろそろ大詰めを迎えてきました。米国の決算は指標と同じくいずれも良いものが多く、順調に推移しています。日本企業も良い決算を発表しているのですが、昨日のLINE同様、良い決算が出ても予想に届かずと売られてしまうこともあるので、期待値が高ければ高いほど株価は予想しにくい・・・というところでしょうか。

今月末に決算ピークを迎えますので、日本は個別に個々の決算を見極めて今後の投資につなげていきたいですね。

では日本の現状はどうなのかを見る上で、来週30日・31日で行われる日銀金融政策決定会合の結果を見たいと思っています。新興国経済や海外経済の持ち直しや、円安・株高を受けて日銀は日本の景気に自信を深めている一方で、物価の先行きに対しては控えめな見方が多いようです。
物価2%目標に向けて賃上げを希望している安倍首相ですが、為替市場のボラの高さもあり、慎重な日本人としては、インフレ期待の高まりを確信するにはまだ躊躇してしまうのでしょう。どんなに安倍首相が賃上げを訴えても、為替が落ち着かず、昨年は円高に苦労させられた企業からすると、今現在円安であるとしても、トランプ政権下で今後の見通しが分からない今、「63%が今春闘にベアを実施はしない方向」と回答しています。 “株の窓口THE相場勘 ~日銀金融政策決定会合~” の続きを読む

株の窓口THE相場勘 ~トランプ大統領のもとで選択したい業種~

昨晩、NYは20000ドルの大台を超えてきました!
トランプ大統領が就任してから、次々と大統領令に署名したというNEWSが入ってきています。議会の承認を得なくてはいけないものや、予算の問題もあるとは思いますが、選挙期間中に公言していたことを次々と実行に移しているのは実に頼もしいTOPだと思います。

当選してからシリコンバレーのTOPを集めた会談や、一昨日の自動車メーカーのトップとの会談についても、まさにトランプ王国(米国)ホールディングのTOPのようです。実際に「新規工場はトランプ王国(米国)に作りなさい」ですとか、「(仕入れは)米国製品にしなさい」というのは、まさに経営者TOPの判断力と行動力からの発言なのだと思います。

就任してからわずか1週間の行動の早さを見ると、トランプ大統領は米国でAmerican Dreamを実現し、不動産王になったように、米国の経済を盛り上げていくまで、あらゆる政策を取り続ける可能性が強いように思えます。日本の企業は今後「いかにトランプ大統領の政策に乗っていけるか」ということで今後の株価に変わってくるのではないでしょうか。
このところ日経平均が上昇しても内需関連銘柄がさほど上昇率が高くないのは、こういったマーケットの見方を表しているのかもしれません。そこで本日は銘柄選びの参考になりそうな資料を見つけたのでご紹介します。 “株の窓口THE相場勘 ~トランプ大統領のもとで選択したい業種~” の続きを読む