株の窓口THE相場勘 ~トランプ氏記者会見の内容~

夜中1:00からのトランプ氏記者会見の内容をチェックしていて寝不足気味ではありますが、皆さんは大丈夫ですか?もちろん朝からの報道でチェックされている方も多いかとは思いますが、ところどころピックアップされた内容で、全貌を知りたいと言う方もいますよね?細かな政策などについて言及することは無かったものの、今後の米国、日本のマーケットを見ていく上で関係してきますので、本日は会見内容をまとめようと思います。

■『偽りのニュースを吹聴しているとして記者団を猛烈に非難』
ロシアが同氏に不利な情報を収集していたなどとの報道に対し、裏付けのない情報が流れたとして「ここまで偽りの情報が流出するのを情報機関が許したのは、極めて不名誉なことだ。ナチス・ドイツがやったことと一緒だ」と述べた。

■『私は最も多くの雇用を生み出す大統領になる』
これまでtwitterを通して、メキシコに生産拠点を置く自動車メーカーが米国内の雇用を奪っていると発言していましたが、
「大手自動車メーカー、フォードがメキシコへの工場の移転計画を撤回した。フォードに感謝したい。大手自動車メーカー、GM=ゼネラル・モーターズもフォードなどの動きに続くことに期待している。米国を離れ、好き勝手に振る舞う企業には多額の国境税が課されるだろう。ミシガンやオハイオなど私が選挙で勝利した場所でメキシコなどの外国に工場を移転するために従業員をすべて解雇するようなことはさせない。おとがめなしで海外移転しようとする企業には高い関税をかける」と述べました。
さらに、海外移転しようとする企業に対しては、
「国内にも競争力があり移転可能な場所はたくさんある。ミシガンからテネシーなどに移転すればいい。私は何も競争力を奪おうとしているわけではない」
と生産拠点の移転はアメリカ国内ですべきだという考えを強調した。

■『ロシアとの関係』
「ロシアとはひどい関係なので、プーチン大統領が私のことを気に入ってくれるのなら、それは財産だ。ロシアは過激派組織IS=イスラミックステートとの戦いで助けになる。ただ、うまくやっていけるのかどうかはわからない。うまくいくことを望む」
と述べた。

■『貿易不均衡について日本も名指し』
貿易対策に対し、
「悪い取り引きばかりして貿易で多額の損失が出ている。中国や日本、メキシコなど、どの国とも良い取り引きができておらず、貿易の不均衡となっており、貿易の不均衡を是正する必要がある。ロシアをはじめ、中国などほかの国々はアメリカを最大限、経済的に利用してきた。中国にいたっては南シナ海に巨大な要塞も作っている。
だが、ロシアや中国、日本、メキシコなどすべての国が、今後は、これまでのアメリカのどの政権に対してよりもはるかに大きな敬意を払うことになるだろう」
と述べ、「アメリカ・ファースト」の姿勢・保護主義を強調した。

■『オバマケアと薬価について』
「最悪の制度だ。自己負担の保険料が高く、人々は保険料を払うために破産寸前となり、高額なためにその制度を利用することさえできない。厚生長官が承認されしだいできるだけ早く廃止し、ほぼ同時に別の医療保険制度に替える。新しい制度では、ずっと安く、はるかによいものになる。」
「製薬会社は「殺人」の罪を犯しているにもかかわらず、罰せられておらず、政府に多額の費用を負担させている。また海外へと拠点を移す動きが加速していて、製薬業界を国内に回帰させる必要がある。われわれは世界最大の医薬品の買い手であるにもかかわらず、適切な価格設定が出ていない。入札を開始し、数十億ドルを削減する」
と述べた。

■『メキシコとの国境沿いの壁』
「就任後すぐに壁建設についてメキシコ政府との交渉を始める。交渉を終えるまでに1年半ぐらいはかかるだろう。メキシコ政府との合意に至る前に、すぐに壁の建設を始める。税金をとる形か、代金の形なのか、たくさんの形があるが、壁の費用はメキシコ政府が支払うことになる。メキシコ政府はひどい。メキシコはアメリカを利用してきた。それを許すべきではなかったし、今後、それが起こることはない。」
と述べた。

今回の会見で、トランプ氏が計画する1兆ドル(約 115兆円)のインフラ投資や銀行規制緩和、貿易に関して詳細は不明のままでした。

貿易不均衡について日本が名指しされたことは今後の不安材料になりうる可能性がありますし、通商摩擦を予感させられる部分も・・・

会見を聞く限りでは結果的にいずれ通貨政策が議論される可能性もあることを頭に入れておく必要があるのではないでしょうか。

本日の相場勘はトランプ氏の発言内容だけで長くなってしまったので、一つ一つの可能性や詳細についてはいずれ機会がありましたら書きたいと思います。