株の窓口THE相場勘 ~米国金融銘柄と全体相場~

本日の日経平均は、自立反発との声もあり上昇していました。これで基調は上昇に切りあがったかと言うと、けっしてそうとは言い切れないと思います。

昨晩の米国では、JPモルガンが、ボラティリティ―の低下により第2・四半期のトレーディング収入が前年比15%減っていると発表。バンカメも今期のトレーディング収入が前年同期を10─12%下回るとの見通しを示したことから金融銘柄に売りが広がりました。

引き続きFRBの利上げ期待から落ちたところには買いが入るなど最終的には小幅安で終わりましたが、本日場中に発表のあった『5月Caixin製造業PMI』は景気の良し悪しを判断する基準とされる50を割り込む形でしたし、昨年11月からのトランプ相場が一服している現在では、経済の中心とも言われる金融が収入減と発表していますから、ここから暫くは依然として軟調に推移する可能性があると見ています。

金融はお金を回す上で経済にとって不可欠な業種でありますから、金融業種にお金が回らないと全体相場の押し上げには繋がらないと思っています。

また、昨晩発表のあったベージュブックではボストン・シカゴ・ニューヨークの地区連銀総裁のコメントを見ると、「物価圧力が高まっている兆しはほとんど見られない」など、大都市の地区連銀総裁が経済成長に対し、弱気な発言が見られたようでした。

やはり米国経済成長を占う上で必要不可欠なのが、共和党の政策ですが、ロシアゲート問題も解決していない今、なかなか先に進めることが出来ないであろうと考えると、一旦は下押し局面があってもおかしくないと思います。

日経平均に関して言えば、出来高が多かろうが少なかろうが、日銀のETF買いという大きなお金が買い支えしますから、極端に大きな下落は考えにくいとも取れますが、世界の中心である米国経済の動きが停滞してしまうと、連れ安も免れないのではないでしょうか。

まずは今晩、米国では『5月ADP雇用統計(前月比)』と『5月ISM製造業景況指数』の発表がありますので、こちらを見て、本日の上昇が正しかったのか、もしくは一時的な反発なのかを見極めようと思います。