株の窓口THE相場勘 ~米国・金融株上昇の裏側~

久々に金融株の上昇が目立った形でNYダウは3桁上昇しました。
昨晩は長期金利が久々に上昇したことや、ストレステストの分析とレビューが発表されたこともあり、金融株は株主還元策を行うことが出来ると言うことで、これを先取りする動きだった
のだと思います。

ストレステストの結果では、対象銀行は全てOKであったことや、増配や自社株買いの可否を論じる審査結果も、米国マーケット終了後に発表されています。
シティ・バンクは配当を2倍、時価総額の6%近くを買い戻すなど、目立った株主還元策を発表しています。明日には、他のメガ金融機関も株主優遇策が出揃う形になります。
この内容をマーケットが待ち望んでいたので上昇したのか?と言うと、先週既に、このイベントを織り込んだ動きで上昇していましたので、2度同じ材料で上昇する感があり、この動きがどこまで続くのかは見守る必要がありそうです。

最近、米国長期金利が下落し続けていた中、このまま下げ続けるのではないかと言う中、ドラギ総裁の発言を受けて、切り返す形にはなりましたが、それが無ければ、ずるずる下げ続けた可能性が高いと思っていますし、この先、政治的にも厳しいものがあるので、今回のドラギ総裁の発言のみで上昇方向に切り替わると見るのは時期尚早ではないでしょうか。

オバマケア代替案の後連れについてですが、8月には議会が休みに入るので、政策が成立することはないでしょうから、9月~11月の間と言うことになります。そうなるとタイムリミットが迫ってくることになると、マーケット参加者も余裕を持てる状況ではなくなることも考えられると思うので、そう考えると夏ごろから、そう言ったマーケット参加者の動きが相場に反映されるのではないでしょうか。

代替案そのものの可否が問題なのではなく、そこで出来た資金源を減税の資金にということですから、オバマケア代替案の後連れが、減税の遅れに直結するとのことですが、そもそも米国の健康保険のシステム自体が複雑で、そんなに資金が生まれるわけではありませんし、利益を減らせば資金が浮くのですが、政治的に許されない面もあったりと、難しい問題であり、オバマ大統領がオバマケアを成立までには非常に長い年月を要したことを考えると、今回の代替案も簡単ではないでしょう。

来週は重要指標の発表が多く出てまいりますので、ファンダメンタルが伴っているのかどうか、米国の状況には注意しておきたいですね。