株の窓口THE相場勘 ~オバマケア見直しに対する米国の反応~

大幅下落を受けての昨晩も続落で終わったNYダウですが、今一番重要なのは経済対策、税制対策、インフラ投資、規制緩和が、今年中に実行されるかではないでしょうか。
特に税制改革は、かなり多くの人が、今年1月にさかのぼって実行される可能性があると織り込んでいるだけに、オバマケアの見直しにより来年に持ち越すようなことがあれば、経済活動の足を引っ張る形になるので、インパクトが大きい分、こういった議会の状況には目が離せない状態といえます。
現在、米国市場が世界のマーケットの中心であるだけに簡単にはリスクオンとはならないような気がします。

注目のオバマケアの代替案ですが、共和党の保守派は「生ぬるいのでもっと厳しく」と求めているのに対し、民主党は「大量の保険未加入者が出るということで、もっと緩めろ」と正反対の意見が出ています。

共和党の大統領であるトランプ大統領が出した案ですが、上院にまで進むとなると、民主党の割合がより高くなることから、オバマケア見直し法案に対しては、牛歩戦術を使い阻止することも考えられるだけに、3/5の賛成を取らなくてはいけないことは、更にハードルが高くなるでしょう。
ですので、下院で保守派を含め賛成を取れないとなると先行きが厳しいと見ざるを得ないのではないでしょうか。

今回のオバマケア見直しは、最初の立法化を必要とする法案ですので、こういう形で長引くとなると、同じく立法化が必要な、「減税」「公共投資案件」が遅れる可能性があるのは否めないだけに、世界のマーケットの中心である米国に対し今までのような楽観視をし続けるのは・・・

また、大統領選挙後、SP500は月3%ずつ上昇していました。これが1年続いたとしたら1年で36%上昇することになり、維持不可能なことであったと見ると、調整はいつ来てもおかしくない状況であったので、調整局面に入るきっかけとなったと言うことかもしれません。

とは言え、今現在ハネムーン期間であることを考慮するとスピード感に関して言及するのは時期尚早ではないかとも思いますが。

ただし、「経済状況が良くなっている」・「大統領選挙が終わって不透明感がなくなり企業が動きやすくなっている」・「今年法人税減税が実施されるとなればその分企業利益も上がる」
ことから、米国の企業業績について、1-3の予想については9~10%増益予想が出ており、
ファンダメンタルズは良い状況にあります。

ではどの程度までの調整とみるべきか・・・
米国は新高値を取った後、右肩下がりになってきていますが、トランプ大統領の「驚くべき減税」発言が期待感をあおる発言であっただけに、その期待感が出る前の水準、2月初めの20300円程度までの調整はありえるかもしれません。