株の窓口THE相場勘 ~コーンNEC委員長辞任について~

昨晩の米国市場では、NY市場は比較的堅調な動きを見せましたが、関税の動きについては、トランプ大統領が完全に撤廃をしない限りは、どの国にとっても良いことはない内容のものになる可能性が高いことから、マーケットは警戒感を強めている状況が続いているのだと思います。

北朝鮮が韓国と会談が行われると報道された時には、ドル高に流れが触れたと言うことでしたが、基本的に短期的な反応であったということだと思います。北朝鮮と韓国が会談を行われるまでは、過激なことはしないでしょうが、米国の対応は変わらないのではないかとの見方もありますが、最悪なシナリオが遠のいたと言う程度で見ておくべきなのではないでしょうか。

コーンNEC委員長が辞任との報道が伝わってきました。こちらの方は北朝鮮問題よりもはるかに影響が多い問題だと思います。コーン委員長はWSJにとってはゴールドマンサックス出身と言うこともあり、数少ない頼りになるトランプ政権の主要閣僚の一人と言うことでしたので、コーン氏の辞任は、マーケットへの影響は大きいと思います。

コーン氏は保護主義的な政策に反対していましたので、トランプ大統領の今回打ち出した関税の方針が決定的な辞任の原因になったのだと思いますが、更にトランプ政権が保護主義的な政策に傾くとの懸念も高まるでしょう。後任が誰になるかにもよりますが、今の現状で、市場にフレンドリーな人選を行うとも考えずらく、この影響はかなり大きくなると見ておいた方が良さそうです。

既にダウ平均は先物市場で300ドル以上下げていますし、ドル安もかなり進んでいるので、この動きは暫く続く可能性が高いのではないでしょうか。

経済と言う観点で見ると、原油価格については不安要因も多いですが、金利については落ち着いてきたようです。長期金利が3%を超えてくるにはもう少し時間がかかると見ておいて良さそうです。ただ、今回の通商政策が実際にどの程度のものが出てくるかにもよりますが、実際に減税政策を全てまとめたのはコーン氏とも言われていますので、市場の落胆というのは大きいと思います。