株の窓口THE相場勘 ~トランプ大統領の動きと日本の決算発表~

昨晩のNYダウは上昇、ナスダックは高値更新。トランプ大統領が、カナダから米国に石油パイプライン建設を推進する大統領令に署名したことで、政策として掲げていたインフラ投資が垣間見れたということからか、昨晩は安心感が広がったようです。パイプラインの建設によって、建設部門で2万8000人の雇用が産み出される可能性があるとしました。
ただし、2014年国務省の報告では建設関連3900人、常勤職35人でしたのでトランプ大統領の見解とは大きな相違があります。同時に、パイプライン建設に使用する鉄鋼製品に関しては米国製品を利用する必要があるという大統領令にも署名しています。

これを受けての日経平均は大幅に上昇しましたが、まだ一方通行に上昇のみを考えるのは時期尚早に思えます。

昨日は大統領令に署名したのみでなく、米国の自動車メーカー3社の経営トップと会談し、その中でフォードのCEOは「あらゆる貿易障壁の根源は為替」だとし『ドル高の是正』を求めたと伝わっています。

為替の円安・ドル高メリットとして上昇している銘柄も多く、トランプ大統領がどのような為替政策を取るのか・・・米国の金利が上昇すれば、自然な流れで見るとドル高円安にはなりますがトランプ大統領の政策はレーガノミクスとも言われることが多いだけにどのタイミングで為替について言及してくるのか・・・

今回の雇用の創出にかんしても国務省との見解と離れた数字を出してきているところから、実際に計画実行となった際にトランプ大統領の思惑通りに進まなかった場合、失望感が出てくる可能性があることも考えると現時点では全力買いするにはまだ・・・と思うのは私だけでしょうか。

日本国内に目を向けて見ると、決算発表に注目する時期ではありますが、ほとんどの企業が第三四半期決算となります。前回の決算時期に上方修正や下方修正を行った企業が、トランプ大統領が当選した11月からの為替変動のみを見て更なる上方修正や下方修正を行ってくる可能性は少ないと見ています。1日で見てもボラの高い為替の動きを見ると、余程のことがない限りは今期業績は据え置きで出してくるのではないでしょうか。

23日引け後に安川電機(6506)が上方修正しましたが、それを受けた昨日の株価は下落。本日は上昇していましたが、為替にらみの展開から素直に上方修正を受け止められないと言うのが現状だと思います。

しばらくはトランプ大統領の言動や行動に左右される相場が予想されますがきちんとした方向感は依然として見えておらず、まずはトランプ大統領の政策が米国経済にどのような影響をもたらすか・・・それを見るしかないのではないでしょうか。