株の窓口THE相場勘 ~トランプ大統領発言について~

昨晩の米国はアップルの好決算を受けてプラスで終えましたが実際のところ、アップルのみで50ドルほど上昇していたことを見ると、それ以外の銘柄は実質マイナスもしくは横ばいでした。最近は期待から株価が上昇していたところがあり、昨晩発表のあったADP雇用統計やISMなどの経済指標が予想を上回っていたことに対して、FOMCの声明に強気の踏み込んだものではなかったという見方から失望売りとの声がありました。

実際、トランプ大統領の財政出動があったわけではなく、期待値からの上昇であったことを考えると、これからのトランプ政権の出方や米経済への影響を見ながら・・・と言うのが通常であり、マーケットは前のめりになっていたということではないでしょうか。

ですが、米国の経済指標を見ると、米国は強い!の一言。昨晩のISMやADP雇用統計もしかり、米国経済が拡大しているのは間違いないようです。

本日の米国では雇用統計の発表がありますが、今まで出てきている雇用指数を見ると数字だけ見るともう雇用を拡大させる必要は無いのではないかとも思えてきますが、トランプ大統領は依然として雇用拡大を指示しています。
なぜか?
このまま雇用に対して何もしないと、ドル高になり、インフレ圧力が弱まると見られています。一昔前のように米国だけの雇用が良くなったからと言ってすぐにインフレにつながるわけではなく、ドル高を通じてインフレ圧力がやや緩和され、世界中にメリットがいきわたって初めて米国のインフレにつながると見られているからでしょう。このことを考えると昨晩のFOMCの結果で拍子抜けする必要は全く無く、利上げペースは急ぐ必要はないと思います。

本日はメディアで取り上げられている大統領令の連発の内容についてです。

「中国・日本・ドイツに向かって発言されている為替操作発言について」
日本のメディアでは選挙期間中トランプ大統領の暴言の映像が多く出ていましたが為替については選挙期間中からトランプ大統領が言っていたことで、今になって出てきたことではありません。
実際に米国の貿易赤字の2/3が中国であることを考慮すると、貿易赤字を解消するには為替が一番の解決策であるのは間違いないのです。

「移民制限について」
ご存知の方も多いかもしれませんが、オバマ政権のときにもイラクから入国に対し120日間程度の差し止めをしたことがあります。今回のトランプ大統領の「移民制限」は90日間米国への入国をストップすることで一旦リセットし、1からルールを作り直そうと言うものです。
1から作り直す為の一旦の措置なのです。確かにこの制限がずっと続くのであれば問題にもなると思いますが、歴代米国大統領の100日間(ハネムーン期間)のようにメディアは少し暖かい目で見ても良いのでは・・・と個人的には思います。

 

唯一の懸念は「減税のタイミング」なのではないかと思っています。トランプ大統領の大統領令・連発によって、株式市場や経済に一番影響を与える減税政策が議会を通りにくくなる可能性があるのではないかと言うことです。減税に対しては直ぐに出てくる話ではないとは思っていますが・・・

経済を大きく拡大している米国。米国の経済拡大により見込める世界経済拡大・・・少し暖かい目で見守っていけたらと私は思うのですが。