株の窓口THE相場勘 ~バランスシート縮小と米経済~

20日のFOMC声明を受けて12月の利上げ確率が上昇し、ドル買いが強まり、直後は米国・日本ともに上昇となりましたが、昨晩の米国市場は3指数揃って下落となりました。

12月の利上げに関しては、今後のインフレ判断や見通しに暫く左右されると見られますので、本日はバランスシートの縮小について書こうと思います。

FRBは4.5兆ドルに膨らんだ保有資産の縮小を来月から開始します。
世界の中央銀行を見ても、この規模でのバランスシート縮小は初めてのことではありますが、色々な文献を見ても市場へのへの影響は限定的と見られているようです。
一方で、景気後退に繋がる可能性を否めないと見る専門家もいます。その理由として
①FRBが過去6回行ったバランスシート縮小のうち、5回は米国経済が景気後退となったこと。
②FRBが長期にかけて利上げを行った場合、最近13回の引き締めのうち10回は景気後退となったこと。
と以上の2点を挙げていました。

①で見ると景気後退確率は約83%。
②で見ると景気後退確率は約77%。
アノマニーとしても良いくらいの高確率ですね。

ですが、昨日のブログにも書いた通り、トランプ大統領の政策が進み減税が行われれば、FRBの見通し通り、今回のバランスシート縮小が市場に与える影響は軽微で済むと思いますが、世界初の規模でのバランスシート縮小に加え、これまでの利上げと言う2つの引き締めで、減税が成立しなかった場合の米市場・下半期の影響は軽微では済まない可能性もあるだけに、ワシントンの動向が重要となりそうです。

今週も皆様お疲れ様でした。
素敵な週末をお過ごし下さい。