株の窓口THE相場勘 ~ワシントンの動向に注目~

『米・製造業評議会(政府・経営者・労働者の団体)解散を命じた』
『白人至上主義問題への発言』
一昨日・昨晩のトランプ大統領発言がマーケットで注目を集めています。

ワシントンの話題で言えば、9月の終わりに債務上限問題があり、税制改革を年内に行いたい、更には、オバマケア代替案を夏休み前に通せなかったばかりで、政治的に大事な時期であるにも関わらず、一昨日、昨晩のトランプ大統領発言は大きな問題であると捉えるマーケット関係者が多いようです。

そもそも米・製造業評議会とはトランプ大統領の重視している米国の雇用拡大を目指して作られた団体であり、各トップクラス企業者が加盟したもので、それを解散させてしまうと言うのは理解しがたい状況のように思えます。
米国の中でもトップクラスの優秀なメンバーを敵に回すと言うのは良くないこと。これまで実績は無いとは言え、今後の動きに期待していたところだっただけに残念ではありますが、問題なのは、政権に残っている人たちがトランプ大統領に賛同するのか否か、疑われるのが嫌だからやめてしまうと言うような動きが出てくる可能性があることです。
米・経済の力になりたいと考えている人達が、今回のような理由で離れていくことは、米経済にとってマイナスだと思います。

白人至上主義者とその反対グループに対する抗争に対し、トランプ大統領が『どちらにも非がある』と発言したことですが、米国大統領資質で重要と言われているのが『公正である』こと。この観点からすると、今回のトランプ大統領の発言は問題があるのではないでしょうか。

こういった問題がありつつも、昨晩の米国市場は寄り付きからは売りが目立ったもののプラスで引けていますので、マーケットの地合は強いと思います。ですが、大統領に議会をまとめる力があまりに無いと、ワシントンの動向が最も重要だと考えられる9月に近づいているだけに、影響が懸念されるところです。

今のマーケットは、『米国憲法で指定されている通り、方向を決めるのは議会であり、大統領には拒否権しかないということ』を信じるしかないという状態でしょうか。

業績の良いFANG銘柄等は問題が無いと思いますが、公約どおりの減税が行われると、FANG以外の銘柄も大きなメリットを受けます。

現状のベストシナリオとしては、軽い減税を年内に成立させること。来年の中間選挙前に公約どおりのことを行っていないと、議会の選挙が影響を受けることを考えると、来年には何としてでも通してくると思っていますが、今年に関しては期待しすぎると足をすくわれるかもしれません。

暫くは、ワシントンの動きに左右されそうです。