株の窓口THE相場勘 ~北朝鮮のミサイル発射を受けて~

北朝鮮問題がまたしても勃発。米国からは、最近、水面下では話し合いの準備がされているような報道が伝えられていただけに、今回の北朝鮮のミサイル発射は米国の判断をも覆し、今後の米国の出方に注目が集まる展開となっています。

本日朝方、米国防総省のマニング報道部長より『北米航空宇宙防衛司令部(NORD)は今回の北朝鮮ミサイル発射が北米地域に脅威にならないと結論付けた』と発表はしましたが、今回の懸念は、その言葉だけでは簡単に終わらないように思います。

実際に日本上空を通過したこともあり、個別に見ても日本にとっては見逃すことの出来ない懸念であり、これまで北朝鮮の動向にはさほど反応を見せなかった韓国KOSPIですら大幅に下落をしています。

一方米国ではハリケーン『ハービー』による豪雨で死亡者もでており、更に数日豪雨が続く可能性があるとも言われています。米国にとって、北朝鮮だけでなく、自国の自然災害についても対処すべき問題があり、債務上限問題の期日も近づいていることから、暫くは様子を見るしかないと思っています。

楽観的に見ると、ドル円は108円台をキープしていること、ミサイルが自国である日本上空を通過したにも関わらず、VIX指数は上昇はしているものの依然として低水準なので、マーケットは冷静に今の現状を見ているとも取れるかもしれません。

出来高も少ないままでありますので、様子見ムードが強いようにも思えます。

いずれにせよ、8月31日までは米韓共同軍事演習が続くこと、9月9日は北朝鮮の建国記念日もありますので、まだまだ懸念が高まる可能性も高いと思います。

日本のマーケットが本当に底堅いのか、もしくは今晩の米国の動きを見てから連動した動きとなるのか、米国のこれまで示してきたレッドラインを超えてしまった北朝鮮に対し、どのような対応がなされるのか、しばし見守る必要がありそうです。
米国が、自国に対して脅威が無いと判断したとしても、何も行動をしなかった場合、トランプ大統領は『口先だけ・・・』と言う印象をつけてしまう可能性もあり、今回はこれまでよりも一層、米国の動向に注目が集まるのではないでしょうか。