株の窓口THE相場勘 ~原油は年内60ドルも?!~

昨晩の海外市場は上値の重さが出てきたようです。朝方は買いが先行しましたが終わりにかけて前日終値近辺で揉みあう形となりました。

昨晩はイエレン議長の講演がありました。インフレに関する不透明感が高まっており、労働市場の過熱がインフレに繋がる可能性があるとして、金融政策に関しても
あまり利上げのペースが緩やかになるとリスクになる可能性があり、年内後1回の利上げを支持するような発言だったと思います。

前回のFOMCでバランスシートの縮小が決定したことや、年内後1回の利上げの可能性を維持したことで、米国全体の上値を抑えていた部分があると思いますが、昨晩のイエレン議長の発言で再認識したことで、上値が抑えられたのだと思います。

バランスシートの縮小・ハリケーン被害・トランプ減税の行方など細かく見ると懸念材料が多い状況には変わらないわりには、米国は強い動きを続けていました。
ここまでの上昇は、やはり税制改革への期待が一番大きかったと思います。
FOMCに関しても、バランスシートの縮小があるのであれば、利上げは緩やかになるのではないかとマーケットは期待していた可能性があり、前回のFOMCで年内利上げの可能性が変わらなかったことで、期待はずれと捉えられているのかもしれません。

税制改革が決定すれば、FRBの経済政策があろうと、多少強行的に利上げが行われようと、米国は上昇基調に進むのでしょうが、昨晩もオバマケア改廃案の採決を見送る形となっており、不安定な相場となったのだと思います。

一方、原油価格は堅調に推移しています。OPECやロシアなどの減産の成果が出てきていることや、景気回復に伴い需要も増えてくるのではないかという期待が出てきたこともあり、強気の見方をするアナリストには2019年には供給不足になると発言している人もいますので、需給の改善に対する期待は更に強くなってきています。
OPECは減産をこれからも続ける意思表示をしていることも相場の下支えになっているのでしょう。
このまま減産を続ける体制が整えば、年内にも60ドルを超えてくる場面もあるのかもしれません。