株の窓口THE相場勘 ~地政学リスク以外の懸念~

昨晩の米国市場は、IBMの決算内容に反応し、下落。
他の決算発表があった銘柄は、良好であったこと、ダウは100ドル以上、下げてはいましたが、SP500指数はさほど下げておらず、ナスダックはプラスで引けました。
IBMだけでダウを55ドルマイナス寄与と言われているので、総合的に考えると、ダウが100ドル以上下げたダメージは無かったように思えます。

他の大多数の決算は良好であるので、実質的なものを見ると、現在のマイナス材料は、『地政学リスク』であるので、ファンダメンタルズは良好であり、見直しが入ってくるものと見ています。

ですが、米国が調整色を強めてくると、ネガティブなコメントが散見されるようになるものでもあり、最近ではマーケット関係者から
「売り始めた」
「割高にしびれをきらした」
「企業業績もさほど大きな増益にはならないのではないか」
などとの声が出てきています。

ですが、決算が良いシーズンになってきてはいますが、米国議会が休みに入っており、調整されやすいタイミングでもあると思います。

地政学リスク以外で懸念しているのは、マーケットが期待していた『驚くべき減税』については、8月の休会前にはと言うのが難しくなってきているとの見方が出てきていることです。

米国では、個人でも、ほとんどの人が確定申告をしており、減税を見込んで年初から生活をしている分、万が一、年内に減税が行われなければ、一気に米国民のお金の使い道が変わることは否めません。
法人減税の方が通りやすいと言われていますが、万が一それも年内には行われないとなれば、その影響は大きくなると思います。

オバマケア撤廃・減税が年内に行われれば、米国経済にとって大きなプラスであるのは間違いありませんし、もし年内に行われないとなれば、先に書いた通り、減税を見越して動いていた米国民にとって、大きなマイナスになるのも間違いないだけに、米国マーケットは今後も議会の動きに一喜一憂する動きになる可能性は高いと思います。今のところ、来週から議会が始まれば、活発に活動するものと見ていますが・・・
4月15日で米国の確定申告が終わり、需給関係は本当に良い時期。
ファンダメンタルズ以外の要因で売られることがあれば、それを跳ね返す力はたまっている時期です。

NYの割高論に関しては、90年代の初めから、利益がこれから伸びていく前に必ず出てくるもの。減税が通れば、10%以上の増益が見込めますし、景気が良くなってPERは高く見えるが企業利益が伸びていく時と言うのが、『一番株が高くなる』ものなので、今回も、その可能性があると思います。

地政学リスクがぬぐわれれば・・・