株の窓口THE相場勘 ~夏の定番の危機~

昨晩の米国市場は、発表された経済指標がまちまちであったこともあるとは思いますが、終始利益確定売りに押される展開だったようです。

今後も利上げに対して、マーケットは反応するとは思いますが、これまでの利上げ直前の米国長期金利を見ると、もう少し高かった水準にあったのを見ると、徐々に利上げに対して関心が薄れてくるのではと見ています。

それよりも今後の米国の政策や、その進捗状況等に注目が集まってくるとすると、やはり秋から冬にかけて、共和党の政策がはっきり見えてくるまでは、今までに比べて、リスクに反応しやすい時期に突入すると見て良いのではないでしょうか。

そこで、ここ数年、この時期から夏場にかけて取り立たされる危機と言えば、『ギリシャ問題』。ギリシャのデフォルトの可能性や債務軽減などに関する問題なのですが、今年も近い将来、持ち上げられる可能性があると見ています。

ギリシャ政府は、債権団が債務負担の軽減を行わなければ、支払いの滞納を検討しているのではないかと見ているマスコミ関係者がいるそうです。

現時点ではまだ、想像の粋を超えてはいないのですが、5月23日にブリュッセルで開かれた会合で、ユーロ圏の財務省たちは「ギリシャへの新たな融資」についても「ギリシャ債務軽減」に関しても合意できなかったことからきているようです。

ギリシャは7月までに75億ユーロの債務返済を行わなければならないのですが、報道によると、緊縮財政措置を行っても50億ユーロが限界とのこと。

好材料が出にくい時期に『ギリシャ問題』が再燃するようだと、一時的にショックを引き起こす可能性もありますし、ユーロ圏とつながりの高い日本企業も一時的にショック安となる可能性もあるので、米国だけでなく、ユーロ圏の動きにも注意が必要ではないでしょうか。