株の窓口THE相場勘 ~奇妙な動き~

昨晩の米国市場は小幅安。相変わらず、為替・債券・原油・金は慎重な見方を示しているのに対し、発表のあったISM非製造業景況指数が予想を下回り、1年3ヶ月ぶりに基準となる50を割ろうと、依然として株のみ楽観視されてか、小幅安で終えました。

日本のマーケットはと言うと、小幅安から始まるも、これまでドル円が多少動こうとも、米国同様、楽観的な姿勢で買いが優勢でしたが、さすがにドル円が110円を切ってきたことで、警戒感が出てきたようです。

そんな本日、お昼休み時間の日経平均先物に妙な動きが見られました。
お昼休み時間帯も先物市場は動いているのですが、本日の12:05頃、大きく出来高が出来ています。お昼時間帯であるにも関わらず、本日の寄り付きよりも出来高があり、この動きが何を示すのか気になるところ。
9日のメジャーSQに向けての動きかもしれませんが、この動きが奇妙な動きその1。

そして奇妙な動きその2は、米国の債券についてです。
一般的に、米国の長期金利が上昇するとドル高・円安に動くと見られているのはご存知の方も多いと思います。その為、FRBが利上げを行うことで、長期金利が上昇するだろうとの見方から、前回の利上げの際までは、直前にかけて為替が動いたことも記憶に新しいのではないでしょうか。

ですが、本日に限っては円高・ドル安に動きました。これは米国長期金利が下げていることと関係しているのですが、下げているということは米国債券が買われていると言う事。
何故このような動きになるのか・・・
6月の利上げの確率は高水準ですし、とれなれば本日の動きは奇妙・・・、一時的な動き・・・、と見るマーケット関係者もいるようですが、
私の見方では
①世界的に見て、各国の株価は高値領域との見方が増えてきている
②リスク回避の動きから債券を買う動きに(株式から債券へ)
③世界の債券市場を見た時に、2%の利子収入を得られる市場が他にない
と言う流れから、株式市場から米国の長期債に資金が動いているのではないかと・・・

色んな意見がありますが、この考え方が一番しっくり来るような気がします。そうでなければ、単純な流れを考えると、米国は利上げを行うわけですから長期債が下がるのは不自然ではないでしょうか。

6月以降も時期は確定していませんが、米国は今後も利上げを行う方針であり、もし私の見立て通りニューノーマル(※)の動きだったとしても、長期的に見れば大きな流れは変わっていないと思いますが、短期的な流れに振らされないよう、株・債券・為替の動きの関連性は見守って行きたいですね。

※ニューノーマル:投資家が株式等のリスク資産への投資を抑制する一方、安全資産とされる債券への投資比率を高める行動のこと