株の窓口THE相場勘 ~年末のドル需要・ドル高アノマニー~

本日の日経平均は、日銀金融政策決定会合で景気判断が引き上げられたこともあり堅調ではありましたが、板の動きを見ていると、全体的に出来高が少なく、個人投資に好まれそうな低位株に比較的動きが見られ、日経平均先物よりも為替(ドル円)の動きに牽引されている銘柄が多かったように見えました。

今週は、クリスマス休暇を直前に控えたヘッジファンド等の利益確定売りの動きも予想されますが、為替のアノマニーも気になるところです。

本日は年末の『ドル』アノマニーについて書きたいと思います。
通常年末に向けて、米ドルが買われやすくなると言われています。その理由は海外進出している企業の決算にあります。
海外進出している企業は、決算や支払いの為に米ドルを年末に向けて買い、蓄えておく必要があるからです。為替の変動などがある為、米ドルを蓄える動きは、スムーズにその都度というわけにはいきません。
その為、決算処理を行う上で必要な米ドルを集める為に年末にかけて米ドルが買われる動きが集中しやすいということになります。

ここで注目したいのが、企業が米ドルを蓄え終えているところが多いのか否かですよね。

トランプ次期大統領に決定して以来、米国長期債の上昇もあり、ドル高の動きは継続しています。トランプ氏の決定で、ここまでのドル高を見越していた企業は、早々に米ドルに換金、米ドルを買っていたかもしれませんが・・・
ここまでの急騰を予想できた企業がどれくらいあるでしょうか・・・

ドル高を予想していたとしても、ここまでの上昇スピードを予測できていた企業は少ないのではないでしょうか。
金利の上昇を上回るスピードでドル高が進んでいることを見ても、押し目で買おうと思いながら、決算処理に必要な米ドルを蓄えきれていない企業がまだまだある可能性を否定できないのではとも思います。

となると、今年も年末にかけて、「必要にかられて米ドルを買わなくてはならない企業が出てくる → アノマニーの通りにドルを買う動きが強くなる → 米ドル高傾向が年内は続く」という構図が成り立つかもしれませんね。