株の窓口THE相場勘 ~新たなリスク懸念~

昨晩の米国市場の動きは、北朝鮮情勢の緊迫化に対する懸念が後退したことで、暫くは問題が沈静化するのではないかということや、朝方発表されたNY連銀指数や小売売上高が上回る伸びとなったことで、値が伸びるのではないかとの期待から寄り付きを迎えましたが、あっさりと買いの勢いが息切れし、前日終値近辺で方向感なく揉みあう展開が続きました。

北朝鮮情勢は、お互いに探りあいもあるでしょうから、当面は新たな危機が高まるという懸念は無いと現在は見ていますが、先行きの不透明感は引き続き重石になるかもしれません。

米国経済に関しては、トランプ大統領に対する新たな問題が浮上してきていますので、こちらにも注意が必要ではないでしょうか。昨晩も、先週末に起こったヴァージニア州での白人至上主義のグループに関する事件で、トランプ大統領がそのグループを擁護するような発言をしたことで批判が急速に高まっています。これだけであれば、相変わらずとも取れそうですが、今回はこれを受けて、大統領の経済諮問委員会に就任していた有力企業のCEOが続々と辞任を申し出ていると言うところが大きな問題と思います。
トランプ政権から人が離れている=求心力が低下していとも取れるので、こう言った状況が続けば、税制改革やインフラ投資をするのが難しくなってきますので、トランプスキャンダルが経済にとってマイナスに働く恐れがありそうです。

北朝鮮リスクで先週の木曜日に大きく下がった米国ですが、その数日前から売り圧力が出始めていたのではないか、ハイイールド債のようなリスクの高いものから資金が逃避するような動きが出ているのではないかとも見えますが、ここまでリスクオンの動きが強まった
と言うことで一方通行の動きが続いていましたので、そう言った動きが出てくるのが常とも思えます。

地政学リスクやトランプ政権のスキャンダルがきっかけとなって大幅なクラッシュが起きてしまう懸念も頭に入れておくべきかもしれません。

トランプ大統領は自らの支持率低下の注目をそらす為にか、先日もベネズエラに対する軍事力行使の可能性について言及するなど、国際危機を煽る軍事行動に出るようなことで、自らの支持率低下を食い止めようとする動きに出る可能性も否めないので、引き続き
トランプ大統領の言動・行動には注意が必要そうです。