株の窓口THE相場勘 ~日米首脳会談での日本の提案~

本日の日経平均は円安の動きにつられて軟調に推移。今週でピークの決算ウィークが過ぎるのでマーケット関係者の注目は来週、2月10日に行われる日米首脳会談に集まっているようですね。そこで本日は個人的な見解を書こうと思います。

私は仕事柄、政策や各国のTOPについて分析はすれど、お国の偉い方達の政策に関しては意図を探す、方向性を探るようにしています。私は経済学者ではないし、国のトップに立つ人は、あらゆる面から考えて政策を出してきていると思うからです。
ですが、昨日発表のあった来週の日米首脳会談の提案は・・・。言葉を失いました。

提案のお題は「日米成長雇用イニシアチブ」。経済協力の5本柱で「両国に成長と雇用をもたらし、絆をさらに強化」すると言うのが、いわゆるスローガン。米国のインフラ投資に、約17兆円の投資で65万人の雇用創出を目指すと言うものです。また、テキサス州やカリフォルニア州の高速鉄道計画への協力、都市鉄道、地下鉄車両の3千両刷新などをも盛り込むそうです。そこにGPIFのお金を投入すると・・・

私と同じように疑問を持った方は多いのではないでしょうか。確かに米国のインフラ率が上昇すれば回り回って日本も良くなるという期待はあります。報道によると「日本の為替操作」について触れているトランプ大統領への対策とのことですが、実際のところ、米国長期金利が上昇している中、日本の取っている政策はイールドカーブコントロール。金利差を考えれば必然的にドル高円安になるのですから、トランプ大統領の米国第一主義を考えれば、日本が為替操作しているように見えても仕方ない。しかもETF買いで株価を釣り上げているのですから。

「消えた年金」について最近では振れられることも無くなり、私たち日本国民の年金、日本の雇用ではなく米国の雇用創出にGPIGの資金投入。米国に投資をして、どのように回収するつもりなのでしょう・・・トランプ大統領が就任演説の際に「他国と協力はしたいが、独自の国が、それぞれ自国のことを考えた対策をし、協力できれば嬉しい」(私の英語の解釈です)と言っていましたが、米国民からするとなんと頼もしいのだと・・・

日本の経済が拡大する為の投資や、日本の雇用のために使うのではなく米国雇用投資を優先するのには、日本のTOPにも理由があるのかもしれませんが、株式だけでなく、多少強引でも日本経済が良くなっていくようなミラクルCは出てこないのでしょうか・・・