株の窓口THE相場勘 ~日米首脳会談と今後の米国の動きについて~

昨晩の米国はNYダウが下落となりましたが、ナスダックは続伸し連日で史上高値を更新。

ナスダックはトランプ大統領が選挙で勝利した後、ハイテク企業に反トランプ大統領派が多かったことから一時的に売られており出遅れ感が強かったが、今期の決算で軒並み好業績を発表し、買いが入ってきている動きが見られます。中でもアップルの堅調さが目立ちます。決算発表を行ってから9%近くの上昇、ダウを70ドル近く押し上げています。

今までは金利敏感セクター(リートや公益銘柄)などの景気が良くなって買われるというよりも、利回りの安定しているような銘柄が買われていましたが、これからは業績の良いところがリードしていく相場になる可能性が高いと思われます。

アップル、FB、マイクロソフトなどのハイテク企業は、決算内容も良く、今後も業績が伸びていく期待が強いので、今後も下値では拾われる展開が続くのではないでしょうか。
米国の影響が強い日本のマーケットでも、同様の展開になる可能性があると思います。

1月の米国はNY・ナスダック・SP500の3指数ともプラスで終えています。『1月良ければ年間良し』とのアノマニーがあり、過去を見ると1月がプラスで終わると70%近い割合で年間通して上昇しています。更にSP500がプラスで終えた場合、90%以上の確率で年間を通して強いと言われています。
それに加えてスーパーボールで、株価に優しいと言われているチームが大逆転で勝利していたり、共和党の政策を行えば経済に大きなサポートになるのは明らかです。

ですが、米国ではスーパーボールが終わってからの2月・3月は米国の経済・金融市場で材料が一番少ない時期です。今年はトランプ氏が大統領に就任した年ということで材料が出てくる可能性はありますが、通常では材料が少ない時期に入っていくことになります。このことから米国ではポジション調整が起こりやすい時期であるとも言われています。
マーケットでは米国の出遅れ感を物色する流れが続けば、全体では横ばいで推移するのではないかとも思いますが・・・

一方で米金利が上昇傾向にあるのと、ドルは買い持ちでポジションが固まっているので、この当たりのポジション調整が入る可能性は否めません。

また、これまでトランプ大統領は2週間で22の大統領令を出してきましたが、財務長官が決まっていないことも含め、経済方針に対する一般的な説明はなされていないません。教書演説に注目が集まるところだとは思いますが予定は決まっておらず、来年になると言う話もあります。ただし、大統領令のスピードを見ても、この政権はスピードを重視しているようなので、今リスクがあるとすれば、減税法案が今年中に成立しないことでしょうが、現政権のスピード感を見ていると安心しても良いのではないでしょうか。

トランプ大統領は、口先だけの発言を非常に嫌う人だと言われています。各企業のTOPがトランプ大統領に会い、何人雇用するという話をしているそうです。トランプ大統領は偉大なるビジネスマンでもあり、一度口にしたことは後から必ずフォローするようです。

日米首脳会談で安倍首相が米国の雇用を増やす発言をすると伝わっていますが発言するからにはしっかりとした対策が必要で、やり遂げるまでフォローされるでしょう。
トランプ大統領から日本の内需拡大の話がでるのではないかと言われていますが、安倍首相は金融の面で努力していることを説明できるでしょうが、同時に財政引き締めについて指摘される可能性もあるでしょう。

安倍首相がトランプ大統領と行くリゾートは、本当にすばらしいところで、そこに呼ばれると言うのは最大のもてなしと言えるでしょう。今回はもめごとになることは無いと思いますが、安倍首相は実行を伴えることをしっかりと説明できれば、今後の日米関係は心配することがないのではないでしょうか。