株の窓口THE相場勘 ~日経平均に売りサイン点灯~

昨日の日経平均は上昇しましたが、日足の形は前週末の陰線を包みこむ陽線となりました。テクニカルで見ると、上昇相場の中でのこの形状は『最後の抱き線』と呼ばれる売りシグナルとなります。
他にも、RSI・ストキャスティクス・騰落レシオを見ても過熱感が出てきていますので、本日、下落からのスタートとなった場合、調整局面に入る可能性があります。ですが、チャートで見ると、5日移動平均線(20676.70円)が下支えの第一。その下には節目の20500円がサポートラインと意識されると思われます。

一方、アベノミクス相場始まってからの高値は20952.71円も間近であることから本日の動きは短期的な動きの方向性を見る上で重要となりそうです。

外部環境としては、昨日の米国市場は3指数揃っての上昇となりました。
今週末から始まる決算発表に対する期待感が依然として根強いのでしょうし、ウォルマートのネット販売が好調に推移しているとの報道から、ウォルマートがNYダウを押し上げる形となりました。反面、米10年債利回りの低下からドル円は軟調に推移。

トランプ大統領と共和党上院議員の衝突により、税制改革の年内実現への期待に懐疑的な見方が広がったようです。米国の業績は好調ではありますが、今週から発表となる決算は8%程度の上ぶれと予想されています。ですが、前期の2桁上ぶれと比べると、勢いは縮小しており、その分、トランプ大統領の税制改革によるプラス幅を期待していただけに、いずれは減税は行われるでしょうが、年内成立期待がこのままはがれるようだと序所に米国マーケットは一時的にショックを織り込む可能性があると思います。

ドル円・長期金利はこういったショックを織り込む動き、株価は期待感を織り込む動きと、ちぐはぐな動きを見せていますので、まずは今週後半から始まる銀行の決算に注目です。減税の恩恵を最も受けるセクターが金融セクターとも言われているだけに、決算内容・株価動向を見極めたいと思います。

他にも米国時間外で発表された注目動向では、半導体大手のマイクロン・テクノロジーが5%近く下落しています。公募増資の発表により、1株利益の希薄化が懸念された形です。一旦利益確定売りに押された後、戻り基調を見せていた半導体セクターの動きにも注目ではないでしょうか。